「離れていった元の支持者や市民らへの脅しだと思います」
――田久保市長は偽造の疑いがある卒業証書を静岡地検に提出すると7月7日夜の記者会見で表明しましたが、その後あなたに刑事告訴されたことが分かったと言ってその約束を撤回しました。同じ理由で市議会の調査特別委員会(百条委)にも提出しません。
私は7月7日午前7時37分に彼女にLINEで「11時に告発します」と伝え、すぐに既読になりました。田久保さんの記者会見で同席した弁護士も「告発された」と発言しています。
なので記者会見の時に田久保さんが告発を知らないはずがないのに、私の告発で「状況が変わった」と言って約束を守りませんでした。
あの記者会見では市長を辞職し、出直し選挙に再出馬するとも約束しましたが、それも破りました。あの時は選挙で勝てると思っていたのに、その後、支持者がどんどん離れ、再選できないことを悟って辞職しないことにしたんだと思います。
状況が変わったと言うなら支持者が減ったことでしょう。
――8月11日に田久保市長は、8月6日に受けたというLINEのスクショを自分のXとFacebookで発信者を明かさずに公開しました。
そこには〈明日、文春砲を撃たれるみたいです。(中略)信頼回復は無理です!二人で話をした事を実現するのは無理なんです。(中略)私は副市長にどうですか!?と考えて田久保市長へ打診しようかと考えました。周りからも副市長になり田久保市政を支えてやれと言われました。私が副市長ならば議会を掌握出来ると皆様が考えたんだと思います。(中略)田久保市長、私と会話してください。マスコミには言いません。〉(原文ママ)と書かれています。これは山口さんが送られたものですか?
そう、隠すことはしません。文春砲でプライベートに関する記事が出るようなので、田久保さんにもう(市長を)辞めた方がいいと助言するというのが一番の目的でした。
副市長の件は、市長当選直後の5月29日に、田久保さんの熱烈な支持者から私が副市長になってくれと言われたことはあります。「私なら議会を掌握できるという方もいますよ」と言ってるだけで、俺がやりたいなんて書いてないです。
田久保さんのことを思って「俺はここまで考えたんだよ。だから俺と話してくれよ」と。言葉足らずのところはあるかもしれないけど意図はそういうわけです。
――では、田久保市長がこのスクショをさらした狙いは何だと思いますか?
完全に俺に喧嘩売ってんだなって思ってます。心情的にはプライバシー侵害で訴えたいです。
俺がメガソーラーの推進派で、新図書館推進派で、建設業の利権があるとか言われましたが、俺は公共事業なんて1円もやってないし、メガソーラー関連の仕事なんて1回もやったことありません。
全部地元新聞のインタビューで否定してやりました。だからもう多分(私を攻める)ネタがないんですよ。
田久保さんに不利な話をしたら、いちいち開示します(さらします)よっていう姿勢を見せることは、離れていった元の支持者や市民らへの脅しだと思います。
――田久保市長は13日にこれまで拒んできた百条委の尋問に出頭しました。
ここで出席を拒否すると刑事告発に至る。だから一応出ておこうという考えだと思います。だけど結局今回、答弁拒否のような返事をしているので、(百条委に)刑事告発をしてほしいです。
また私の告発は7月28日に受理され、県警はすでに市幹部から事情を聴いており捜査は動いています。
※
現役市長が自分を告発した人物との私信を、あたかも報復するかのようにさらしているが、こんなことで市民の個人情報の管理は大丈夫なのだろうか。田久保市長の訴えを伊東市民はどう受け取るのか。まだまだ市長の言動には注目が集まりそうだ。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班