「超神田寿司の〝のれん分け"の巻」(ジャンプ・コミックス第125巻収録)
今回は、東京・神田の老舗、超神田寿司に米海軍士官のジョディーが入門するお話をお届けする。
ジョディーは自分が乗艦している空母内で同僚たちに寿司をふるまいたいと、超神田寿司への弟子入りを志願してくる。
伝統ある老舗が、外国人女性の入門を、それも海外流のアレンジを加えた寿司を作るつもりのジョディーを果たして受け入れるのか!? 誰もが疑問に思うかもしれないが、ジョディーの真剣なまなざしとナイフ捌きを見た女将の夏春都(ゲパルト)は、あっさりと受け入れる。
そしてジョディーの職人としての修行がはじまるのだが……。
世界に広がって久しい寿司文化だが、アメリカではカジュアルな寿司の場合は、カリフォルニアロールにはじまる巻き寿司が一般的だ。具材はカニかま、アボカド、サーモン、厚焼き玉子など、生の魚介を避けたラインナップになっている場合も多い。また、海苔は寿司の外周ではなくシャリの内側に巻き込まれている。
さらには、チーズやフルーツといった、日本人がギョッとするネタが使われることも。もっとも日本食が海外の食事を取り入れてアレンジしてきたカオス極まりない料理の数々を思えば、おとなしいものだという気もする。
なお両さんが「両さんインドへ行くの巻」(ジャンプ・コミックス第172巻収録)において、夏春都に海外進出のための視察を申しつけられた際、彼が現地でふるまったのは、醤油の代わりにカレーをつけて食べる握り寿司。ところが客はシャリだけを食べてネタを残してしまった。
そこでめげないのが両さんの彼らしいところで、港を持ち魚を食べる習慣のあるムンバイに移動し、みごと成功をおさめた。
それでは次のページから、まったく異なる食文化を持つアメリカ娘・ジョディーの寿司職人入門をお楽しみください!!