新たな疑惑…生徒の父親を名乗る人物が「拡散希望」としてSNSに投稿
県内の他の野球関係者もこう違和感を訴える。
「SNSで盛り上がっていることでこの件は知りました。広陵は甲子園常連校ですから、ルールや上下関係が厳しいというイメージはありましたよ。
ただ、先輩がルールを破った後輩を集団でシゴくということが本当にあったのであれば、テレビでプロ野球選手が過去を懐かしんで面白おかしく語る場面で見るような、いかにも前時代的で今の時代には合っていないことだなとは思います。
報告書では『胸を突く』などの表現ですが、一方で被害生徒の保護者の投稿は殴る蹴るみたいな書き方になっている。
学校側と被害者側で意見が食い違い、真相はまだ完全に明らかになっていない段階で、SNS上では性加害や集団暴行が『あった』という前提の情報や、加害者とされる部員の名前や顔まで拡散されていますよね。
改めて再調査するのか、会見をするのか、当事者同士で話し合うのかして、真実を明らかにするべきだと思いますし、インパクトのある情報を真偽不明のまま拡散することは、被害生徒にも加害生徒にも迷惑な話なんじゃないでしょうか」
しかし、こうした懸念をよそに「新たな告発」がこの問題にさらなる衝撃を加えた。大会本部が発表した「別件」は、昨年まで選手のメンバー表に名前があった現3年生が実名を挙げて広陵野球部内でイジメがあったとする詳細な告発だ。
この生徒の父親とされる人物が「拡散希望」としてSNSに投稿し、動画投稿サイトなどでも瞬く間に拡散された。この告発によれば、「加害者」には複数の現役部員のみならず、指導者も含まれるとあり、事実関係の調査は急務だ。
そしてもはや、学校側が依頼した「第三者」による調査では透明性が保てないことは明らかだろう。事態はすでに、「教育」の名のもとに連綿と歴史を紡いできた「高校野球」の範疇で解決できる段階を超えている。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班