京セラが製造する法人向けの“カメラレス”モデル

前述したように、盗撮被害の増加の背景には、カメラ付きスマートフォンの普及が大きな要因として挙げられる。しかしスマートフォンは広く普及しており、QRコード決済などが社会に浸透するなど、「カメラ付きスマホ」を所持していることを前提に社会は進化を続けている。

そんな中、「カメラレス」のスマートフォンを製造しているメーカーがある。京セラだ。

法人向けに特化したモデル「DIGNO BX3 カメラレス」(2024年11月発売)について、京セラの担当者は次のように話した。

法人向けに発売されている「DIGNO BX3 カメラレス」(写真提供:京セラ)
法人向けに発売されている「DIGNO BX3 カメラレス」(写真提供:京セラ)

「各通信キャリア様向けにカメラレスのフィーチャーフォン(ガラケー)も出荷させていただいておりますが、スマートフォンはソフトバンク様向けに出荷している本製品が唯一の製品となります。

弊社では従来より、主に法人向けにカメラレスのフィーチャーフォンを各通信キャリア様向けに出荷しておりました。この製品は、自動車産業などの製造業を中心に、業務上の理由から写真撮影を禁止している業態の方にご利用いただいておりました。

昨今、フィーチャーフォンからスマートフォンへの移行が進む中で、同様のセキュリティ意識の高いお客様からのニーズにお応えするため、兄弟機であるDIGNO BX3の開発時に『カメラレスモデルを発売しよう』とソフトバンク様へご提案して採用いただきました」

また、スマートフォンによる盗撮被害が増えていることについて問うと、次のように話した。

「個人のスマートフォンを使った盗撮被害が増えていることは憂慮すべき事態と考えます。

いっぽうで、スマートフォンのカメラは顔認証やキャッシュレス決済など、単に写真撮影に留まらない役割を担っております。我々メーカーとしては、カメラのあるモデルも製造しており、いずれの製品も正しく使われることを望んでおります」