注意報は安全のサインだと勘違い?
結局、クラブ加盟社以外を排除して始まった会見では、出席が認められたメディアからも、
「当初、市役所での開催を想定されたが市長の意向もあって会場を(観光会館に)指定された。ただ指定された時点では津波注意報が発令されていた段階だった。安全に対する意識に、非常に疑問に感じた」との質問が出た。
これに田久保市長は「こちらの会場は警報が津波注意報に変更された時点で、使えるということが確実に判明した時点で、報道の皆様にはご案内を差し上げるようにいたしました。
もしも警報のほうが解除されなかった場合は、これはもう安全性が確認されませんので、市はまずこの施設の使用許可を出しませんし、私もそのような状況であるということを報道の皆様に説明をし、日程の延期等を考慮すべきであると考えておりました」と答えた。
津波警報が注意報に変わると海辺の施設が「使えるということが確実に判明した」ことになるという主張だ。南海トラフが起きれば津波で大きな被害が出ると憂慮されている伊東市の災害対策の責任者が、津波注意報は安全のサインだと勘違いしていることがうかがえる。
司会をした後援会の男性が開始から1時間後の「(午後)9時までとさせていただきます」と宣言して始まった会見は、質問を繰り返す記者をこの男性が制したりした。
そして本当に9時ごろに「それでは、お時間になりましたので、これにてですね」という言葉で終わり、延長を求める声も上がらなかった。
進退の方針を180度ひっくり返した場で地元以外のメディアの質問を受け付けなかった田久保氏の狙いどおりの会見となったが、同時にこれは田久保氏の行政トップとしての資質にあらためて疑念を抱かせることになった。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班