石破首相「俺に選挙を仕切らせたら負けないよ」と自信過剰な一面も
かように窮地にある石破総理だが、“党外”からは続投を支持する声も出ている。
社民党から参院選に出馬し、当選したラサール石井氏は「ここ最近の自民党の首相では1番まとも」と自身のXに投稿。
朝日新聞が7月26、27日の両日に行った世論調査では、石破総理は「やめるべきだ」と回答したのは41%にとどまり、「その必要はない」が47%と上回る結果だった。
さらに、7月25日夜には総理官邸前で、「石破やめるなデモ」が行われた。集英社オンラインの記者が現地におもむくと、200人超の姿があった。
本来は野党支持者だという50代の会社員男性はこう語った。
「どちらかというと野党支持だけど、自民党の中で総理になったら誰がまともなのかという点で、高市(早苗)さんや小泉(進次郎)さんよりも石破さんがマシという意味。
自民党は終わっているよ。税金はあげるし裏金は作るし、最悪な組織だ。ただ、高市さんや小泉さんが総理になったら日本は本当に終焉を迎えてしまう」
その他の参加者からも「石破さんがやめたら自民党が極右に行く」(20代・大学生)、「俺は自民党が嫌い。でも石破が総理をやめたらもっと嫌いになる」(60代・会社員)といった声があがった。
こうした中で、石破総理の強気の背景には、「自分には世論の支持がある」という思いがあるのかもしれない。
石破総理の知人によると、石破総理は総理になってからも、自分に肯定的なメールには多忙でもすぐ返信する一方、厳しい指摘には返事がないことが多かったという。
さらに、昨年の総裁選前には知人との会食の席で「俺に選挙を仕切らせたら負けないよ」と自信過剰な一面も見せていた。
「要は、自分にとって都合のいい情報にとらわれがちなのです。当たり前ですが、自民党総裁である以上、野党支持者から支持されても、なかなか状況は好転しないと思われます」(自民党関係者)
確かに、両院議員総会で「石破続投」を求めたのは、鈴木宗男参院議員や、船田元・元経済企画庁長官らごく限られたメンバーだった。
途中退席した船田氏は記者団の取材に、「私を含めて『続投してほしい』という人も5~6人はいた」と語った。赤沢亮正経済再生担当相や村上誠一郎総務相ら、“石破側近”にも、若手議員を従えているようなタイプは見当たらない。
自民党の閣僚経験者はこう指摘する。
「やはり石破さんを支える若い衆や、仲間がいないのが致命的になる」
果たして石破総理の“居座り計画”は成就するのか。それとも、“党内での不人気”が最後まで影を落とすのか――。総理の椅子を巡る“攻防”が続いている。
取材・文/河野嘉誠 集英社オンライン編集部ニュース班