「山へさらってバラバラにするからな」「払えねえならエンコつめろ」 

「僕は一時期、山下から金をせびられていました。払わないと『エンコ(指)つめろ』って脅されて…」。そう2年前の“事件”を証言するのは山下容疑者のかつての飲み仲間だったAさんだ。

「山下との出会いは3年くらい前くらいかな。飲み屋で連れが山下と知り合い、一緒に飲むようになった。よく近所の川などでBBQもしていた。そして一年後、俺が無職のときがあって、生活が苦しく、10万円を借りた。

山下は『元金だけでいいよ』と言ってくれていたのに、後で『2倍の利子で払え』といきなり言ってきたんです。10万はもちろん返金しましたがその後も『倍の利子はちゃんと払え』『払わないとさらって(身体を)バラバラにするからな』などと脅されました」

山下容疑者(写真/知人提供)
山下容疑者(写真/知人提供)

怖くなったAさんは当時、浜松西警察署へ一度相談もしたが「それは民事だから」と言われ、相手にされなかった。Aさんがその後を語る。

「後に他の人にも同様のヤミ金のような手口をしていたことがわかりました。これ以上かかわりたくないので連絡を無視してしまったのですが、偶然浜松の飲み屋街でバッタリと会ってしまった。山下は急に走って突進してきて僕は吹っ飛ばされて手にケガをしました。胸も何発も殴られ、怖くて110番しました。

山下はおまわりさんがきたら急に態度を変え、『身内のじゃれあいだから』などと説明していた。そしておまわりさんが帰ると『警察に相談したとか、お前ビビりだな』と吐き捨てるように言われた」

山下容疑者のボトル
山下容疑者のボトル

恐怖を感じたAさんは先輩のBさんに相談し、山下容疑者との間に入ってもらったという。Bさんが当時を証言する。

「確かに仲裁に入った。山下は元ヤクザで昔悪さをしていたなどと、周りに言いふらしているらしいから、本当だったら構えなければいけないから、俺も調べたわけ。そしたらあいつはどこの組にも所属していなかった。

てか、不良で名前が通ってるわけでもなくて、誰に聞いても山下なんて知らなかったんだ。それで山下に後輩づてで連絡を入れて、『3人で話そうよ』と提案しても、リスケを何度もされた。

たまたまある日、3ヶ月くらいたったあとかな、俺が浜松市内で飲んでいたら、友達から『山下が店で飲んでるよ』と連絡が入り、山下がいる店に行って、話をつけに行ったんだよ。そしたら、『すみません』『もうお金は大丈夫です』などとキョドって話し始め、それ以降、山下がAに金を請求することはなくなった」