“兄弟”と呼び合う関係の堀内被告とジンロ被告
その仲間の一人が、堀内被告だった。掛川市にある堀内被告の実家の近隣住民が語る。
「彼のことは小学生くらいの頃に2、3度見たことがあるだけですね。ご両親と祖父母で一軒家に住んでいました。お父さんは日本人で会社勤めをしていて、お母さんはフィリピンの方だと思いますが、夜の飲み屋のようなところで働いていると聞いていました。今から4年ほど前、おじいちゃんとおばあちゃんが亡くなってほどなく、浜松市のほうに引っ越しするというのは聞きました」
フィリピンにルーツを持つ2人は“兄弟”と呼び合う関係を築いていった。ジンロ被告のSNSには、堀内被告と車を並べて洗車した思い出が投稿されている。
「堀内は黒の、ジンロは白のレクサスを所有し、近隣を乗り回していた。ともに車高を高くするなどした改造車で、タバコを投げ捨てたり、騒いだりといった迷惑行為で近隣住民を困らせていたそうです」(地元紙記者)
そんな彼らの“たまり場”となったのが、仲間の一人の19歳の少女が暮らすアパートの一室。被害者の斉藤宇川さんが最後に訪れた場所だ。
「宇川は日本人のコミュニティとは別に、浜松周辺の外国人やハーフのグループとの繋がりもあったんです」
と語るのは、斉藤さんの先輩にあたる人物だ。中国籍を持つ斉藤さんは中学時代にはバレーボール選手として活躍。磐田市内の私立高校に進学したが、その後退学し、アルバイトをしながら通信制高校に通っていたという。
「宇川は日中から夜にかけては日本人の仲間たちと街で遊び、夜中になると外国人コミュニティ側にいくんです。彼らの多くがフィリピンやブラジルの子で年齢層も下は14歳から上は23~24歳くらいとバラバラでした。家庭が複雑で家に居場所がない子も多くて、独特なコミュニティでしたね。あいつらはよく写真を皆で撮って『ファミリー』とか『兄弟』とかそういう言葉をつかっていたくせに、何で彼にあんな酷いことをしたのか……」