自宅でエアコンをつける? 高齢者のリアルな本音

このように厚生労働省も注意喚起を続けているが、果たして高齢者の耳には本当に届いているのだろうか。そこで、“おばあちゃんの原宿”とも呼ばれる東京・巣鴨にて、70代以上の高齢者(男女)を対象に街頭アンケートを実施。自宅でエアコンを利用しているのか、リアルな声を集めてみた。

JR巣鴨駅付近(写真/集英社オンライン)
JR巣鴨駅付近(写真/集英社オンライン)

まずは、「自宅でエアコンをつける派」の声だ。

「3年前の猛暑で倒れかけた経験があり、医師にも『夜の冷房は必要』と言われました。一人暮らしでまた体調を崩したら困るので、それ以来、夜間も冷房を使っています。設定温度は28度、3時間のタイマーをかけていますが、起きたらもう一度つけ直すこともあります」(70代・男性)

「眠る環境を快適に保つために、一晩中つけています。妻も私も暑がりで、エアコンなしでは眠れません。2年前に知人が熱中症で入院したことがあり、他人事ではないと感じたのがきっかけです。設定温度は27度で、扇風機も併用しています」(70代・男性)

「年齢的に暑さがこたえるようになってきて、エアコンなしでは寝られなくなりました。夜間に体調を崩すことが続き、娘にも強くすすめられて、3年ほど前から毎晩使っています。設定温度は29度、風向きを天井に向けて直接風が当たらないようにしています。扇風機も回していますね」(80代・男性)

インタビューに答えてくれた80代の男性(写真/集英社オンライン)
インタビューに答えてくれた80代の男性(写真/集英社オンライン)

続いて、「エアコンをつけない派」の意見はどうなのか。

「寝るときにクーラーは使っていません。夫も冷房が苦手なので、扇風機と氷枕、水分補給で乗り切っています。冷房は寒すぎるし、風が身体に当たる感じがどうしても苦手で……。暑くて目が覚めることもありますが、また眠れるのであまり気にしていません」(70代・女性)

「私はつけません。喉が乾燥しやすくなってしまうし、自然の風が好きなんです。日中はエアコンを使いますが、夜は窓を開けているので熱中症はあまり心配していません。夜中に目が覚めることはありますが、『夏だから仕方ない』と割り切っています」(80代・女性)

インタビューに答えてくれた80代の女性(写真/集英社オンライン)
インタビューに答えてくれた80代の女性(写真/集英社オンライン)

「夜に体が冷えすぎて、翌朝だるくなるのが嫌で、エアコンは使いません。扇風機はつけていますし、それで大丈夫だと思っています。夜中に何度か起きるのも、もう慣れました」(70代・女性)

「冷房をつけると寝つきが悪くなるんです。それに、電気代がもったいなくて……」(80代・女性)