財布のひもを緩めた外国人もいたが、価格面に対するシビアな指摘
近くの飲食店に勤める40代の日本人女性はこう話す。
「新店舗がオープンしたと聞いて、仕事前に立ち寄ってみました。他のドンキよりも装飾が凝っているし、外国人観光客向けの『柴犬』とか『寿司』をモチーフにしたグッズがたくさん売られていました。私は日本人だけど、見る分には楽しいですよ。自分の店の近くにドンキができたのは便利だし、これを機に外国人のお客さんがうちの店にもっと増えてくれるとうれしいです」
一方で、冷静な意見もある。都内在住の営業職・30代女性はこう語った。
「え?またドンキ?って思いました。新宿にはもう十分すぎるほどありますよね。観光客向けって言っても、そんなに何店舗も必要なんですかね? ちょっと需要が読めないです」
埼玉県から友だちに会うため都内に来ていた40代の主婦も、インバウンド偏重への懸念を口にする。
「最近、都内に来るたびに外国人観光客が本当に多いから、こういうお店は喜ばれると思うんです。でも、日本人が買いたいと思うような商品は少なかったから、私はたぶんリピートしないかな」
一方、メインターゲットである訪日外国人たちは、確実に財布のひもを緩めていた。タイから訪れた30代男性は満足げにこう話した。
「ドンキはタイにもあるけど、新店舗がオープンしたと聞いて立ち寄ってみた。日本のお酒とおつまみをまとめて買ったよ。3000円くらい使った」
さらに、インドネシアから来た20代の女性は「サンリオグッズをお土産にたくさん買いました。つい1万円も使っちゃった」と語った。
また、ベトナムから来た女性も「ネットでオープンを知って、友だちに頼まれた日本のコスメを買いに来たんです。2万円以上買いました」と話す。
だが、価格面に対するシビアな指摘もあった。アメリカから来た30代の男性は、いわゆる“インバウンド価格”への疑念をにじませた。
「観光客向けの価格設定だよね。アメリカ人の僕らでも、ちょっと高いと感じるよ。店内で買い物をするのは外国人観光客ばかりで、日本人の姿はほぼ見なかった」
さらには、イギリスから来た20代の女性からはこんな意見もあった。
「お土産に『寿司Tシャツ』を買おうと思ったけど、5000円もしてビックリ! 買うのはやめた。日本人の友だちに『ドンキは安い』と聞いていたから来たけど、そうでもなかった」
初日こそ静かなスタートだったものの、外国人観光客が日ごとに増える中で、この店舗がどのように都市の中に根を張っていくのか……。今後も注視していく必要があるだろう。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班