「教頭だけが口座を握っていたという状況自体がすごく不自然」
心配しながらも口座の入出金を誰も気にしなかったのはなぜなのか。
市川市立塩焼小学校に問い合わせると「今は県警の捜査も入り校長も捜査に協力をしていますので、発表している以上のことは何も申し上げられません」と口は固かった。
塩焼小学校の生徒の保護者数人にも話を聞いたが「学校に何も話すなといわれていて…」と不安そうに答えるのみだった。
教材の未払いはもちろんのこと、今年の新6年生の修学旅行費(一人あたり3万円)の徴収したお金はどうなるのか。前出の市川市教育委員会の担当者は言う。
「未払いの教材会社さんには今回の事態をご説明し、近日中にお支払いすることをお伝えしています。修学旅行の徴収金についても現在、協議中です」
今回の事件を受けて、都内の小学校で務める30代教員は「あり得ない!」と声を上げる。
「集金は口座引き落としがほとんどですが、いまだに手渡しで集めている学校もあります。引き落としができないご家庭もたまにあるので、学年主任や場合によっては事務員が月1回は確認し、引き落とし不能なご家庭に担任からお知らせしたりするのです。
学年には必ず会計担当もいるはずで、通常はダブルチェックどころか4者チェックはするはずなのに。教頭だけが口座を握っていたという状況自体がすごく不自然です」
また、同じ千葉県の小学校に勤める30代教員も言う。
「教頭といえばお金の扱いだけでなく、いろんな研修などで『事故が起きないようにしましょう』と注意喚起する立場です。たとえ、個人的にお金に何か困っていたとしても、学校のお金に手をつけたら必ずバレますし、仮に不正に出金してそのお金を戻したとしても『この不審な入出金はなんだ』となりますからね。
いったい、どんな思いで子どもたちの金に手をつけたのか。管理職の立場としてあり得ないと思います」
小林教頭は「家庭から預かっているお金に手をつけ申し訳ない」と謝罪しているという。監督責任として、23年度の男性校長と24年度からの女性校長を減給10分の1(3カ月)の懲戒処分としており、現在、市川市塩焼小学校には新しい教頭が着任しているという。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班