「外国人観光客にも負担してもらいたい」
百貨店の前で友人と待ち合わせをしていた70代女性はこう話す。
「外国のかたにはいっぱい来てもらいたいですけど、支払う額が同じほうがいいかなと思うので撤廃案には賛成です。やっぱり平等にしてほしいと思います」(70代・東京都在住・女性)
都内ホテルで料理人として働く男性も撤廃案に賛成だという。
「働いているホテルでも、外国人観光客が増えてきているなぁという実感はあります。免税を廃止した方が国のためにはなると思うので、そこは外国人観光客のかたに負担してもらいたいです。日本は魅力的な国だから免税を廃止しても観光客数は減らないと思います」(20代・東京都在住・男性・料理人)
いっぽうで、悪影響を心配する声もあった。
「私たちは困らないけど、外国人は日本にあんまり来なくなっちゃうんじゃないかなぁと思う」(30代・東京都在住・女性・専業主婦)
ハーブティやアロマを売るお店で働いている女性も観光客減少を心配する。
「今、インバウンドの影響でせっかく外国人観光客の方がたくさんいらっしゃっています。それで観光客数が減ったら悲しいですね。これが原因で買い控えみたいになってしまったら残念だなって思います。日本のものを知っていただけるせっかくの機会が減ってしまうので」(20代・東京都在住・女性・ショップ店員)
今回の取材では、それぞれの立場や考えで、賛成と反対が入り混じる結果となった。
免税制度を不正利用する輩はもちろん言語道断だ。その根本的な対応策として免税制度の撤廃もひとつの手だろう。
さらに一石二鳥となる税収増を狙うなら、日本の商品の魅力を発信するなど、インバウンド客の購買意欲を減らさない方策も同時に政府に考えてもらいたいものだ。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班