盟友・梶谷隆幸に与えた影響

――2024年度の経営コンサルの倒産が過去最多とのニュースもありましたが、そういった会社と高森さんとはどのような違いがあるんでしょうか?

倒産する会社はコンサルティング能力が低いことに尽きると思います。

一般的にコンサルティングって情報がないところに情報を提供するわけじゃないですか。でも僕は企業の問題を解決することに興味があるんです。

目標に対して課題は何なのか、課題をクリアするために明日からどうアクションするのか、どうしたら社員がそのアクションを取ってくれるのか、そのあたりを明確にして企業にアドバイスをしています。

――厳しいコンサルシーンで生き抜く高森さん。ぶっちゃけいくら稼いでるんですか?

このSNS全盛の現代で、「余計なことを言わない」と決めてるのでご想像におまかせします(笑)。あえて言うなら……同期入団のカジ(梶谷隆幸)とご飯に行っても、ご馳走にならなくて済む、くらいでしょうか。

――昨年引退した梶谷さんもコーチの打診を断って、球界以外の仕事を模索しているそうですね。これも高森さんの影響?

大いにあると思います。彼は今、現役時代の疲れを癒す休養期間をとってますが、すごくいろいろ考えている。ああ見えて頭がよくて、お金に対する嗅覚が非常にあるんですよ。

ふたりでビジネスの話をすると、僕でも聞いたことのないビジネス用語を出してきたり、「どこそこの会社の営業利益率が……」なんて言ってきますからね。

――まったく想像できない……。

ですよね? 僕も未だに違和感があります(笑)。いずれにしても今後、彼が経済的に困ることはないと思いますよ。

――では高森さん自身の将来の野望はありますか?

全然ビジネスとは関係ないですが、120歳まで生きることですね。

――それはなぜ?

いつかテレポーテーション(瞬間移動)ができる日が確実に来ると思っていて、それを見届けないと死ねないじゃないですか。

身体の移動ができなくても、仮の肉体に意識だけ移植することは可能だと思うんです。きっと60年後には実用化されるでしょう。でも健康じゃないと転送できなそう。だから120歳まで健康に生きるのが目標です。

――もうそれで小説を書いたらどうでしょうか(笑)。後編は「地獄だった」というプロ野球生活を回想してもらいます。

120歳まで生きることが目標と笑顔で語った高森勇旗 (撮影/矢島泰輔)
120歳まで生きることが目標と笑顔で語った高森勇旗 (撮影/矢島泰輔)
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 取材・文/武松佑季 撮影/矢島泰輔