月収150万円じゃ納得できず

――いろいろな仕事をする中で気づきはありましたか?

野球教室、エンジニア、ライター、イベントの仕事などでの稼ぎをかき集めると26歳で月収150万円にはなってたんです。

でも、どれも僕にとっては未来に対する投資ではなかった。例えば野球教室だとしたら、僕は“元プロ野球選手”という肩書があるから呼ばれていただけで、毎年どんどん元プロ野球選手は増えていくのだから、賞味期限はせいぜい3年間。

エンジニアとして将来どうするってイメージもなかったし、ライターはそんなにお金にならない。

それなのにストレスフリーで、かき集めたら収入はある程度ある。このままだと世の中を舐めてしまうから、もっとストレスのかかる状況に身を置きたいと思い、ビジネスど真ん中のポジションで仕事をすることを決めたんです。

――今は“ビジネスコーチ”とも名乗っていますね。

はい。経営のコーチング、いわゆるコンサルタントとしてさまざまな企業に関わるようになったのが27歳のころです。

経営のコーチングについて話す高森勇旗 (撮影/矢島泰輔)
経営のコーチングについて話す高森勇旗 (撮影/矢島泰輔)

――コンサルタントって一般の人がなかなかイメージしづらい仕事ですが、具体的にどんなことをしているんですか?

端的に言うと、企業が抱えているさまざまな問題を解決するサポートですね。気合いや根性という言葉をできるだけ排除し、問題解決へのプロセスを明確にしてゴールへ導くと。

――「何も知らない外部の人間が!」みたいな感じにはならないんですか?

もちろんあります。経営者は内部から変えられないと思って僕に依頼をしますが、他の幹部の人たちにとって僕は完全に部外者ですからね。でも何も知らないほうがいいこともいっぱいあるんで。

――ストレスがスゴそう……。

思い描いていたストレスを感じられてます(笑)。そうやっていろんな会社に出入りして会社の業績を具体的に変えてきたこの10年でした。今は取引先が毎年12社はあるという状態です。