「一心同体!?の巻」(ジャンプ・コミックス第142巻収録)
今回は、両さんと後輩警官の法条正義が(ほうじょう・まさよし)が、視聴者参加型番組に出場するお話をお届けする。
「体力王選手権」出場を目論む両さんと、「頭脳王選手権」の参加を考える法条。両さんの人間離れした体力については改めて述べるまでもないが、法条も東大出身のインテリだ。
そして、ふたつの番組が合体して、体力と知力を競う番組になったとなれば、出場者もまた合体して力を合わせれば……? 両さんと法条が取る手段については、読んでのお楽しみとしたい。
本作が描かれたのは、2004年。視聴者参加型クイズ番組が減少し、タレント出演型へと移行していった時期だ。
しかし本作は、「知力の甲子園」「東大など有名大学在校生」といった、2010年代の知識・学歴型クイズ番組の流行を一手先取りしている。
一方、プロのスポーツ選手や一般参加者が、体力や運動能力を競い合うスポーツ系番組は、1990年代の大ヒット番組である「筋肉番付」のエッセンスを引き継ぐ形で、いくつもの番組が登場していた。
そして本作には、より大規模に、よりバラエティー寄りに、より高額な賞金に……と、テレビ番組の規模がエスカレートしていった時代の、最後の輝きのようなものすら読み取れてしまう。
実際に、テレビ番組を題材にした『こち亀』エピソードは、2000年代後半から2010年代にかけて次第に減少していった。
それでは次のページから、体力と知力を競う大型バラエティー番組での両さんの㊙必勝法をお楽しみください!!