半年ほど前からさいたま市内の建設会社で作業員として…
社会部事件担当デスクが言う。
「谷内容疑者は少年時代に関東地方で強盗致傷事件を起こし、家庭裁判所が『刑事処分相当』として地検に逆送致、起訴されて裁判で懲役刑が確定し、少年刑務所で服役していました。
出所したのは昨年の後半とみられ、半年ほど前からさいたま市内の建設会社で作業員として働いており、併設された寮に暮らしていたことがわかっています。
同社は今回の事件現場から約500メートルの距離と近くにあり、手柄さんとの接点は不明なものの、容疑者にはそれなりの土地勘があったとみられます。
手柄さんは近所のファースフード店で友人と食事をし、その後襲われている。谷内容疑者の所持品にはスマホもなく、面識がなかった可能性も高い」
谷内容疑者は服役以前には家族とともに東京都杉並区内のマンションで暮らしていた。同じマンションの住人は取材にこう振り返った。
「谷内さん一家は10年以上前にここに引っ越してきたんです。その時の家族構成はご夫婦と子どもが3人。男の子が2人と女の子が1人でした。フロアが違ったのでどんな生活をしているかはわかりませんでしたが、奥さんは気が強い印象でしたね。
理由はわかりませんがご夫婦は離婚したのか、旦那さんの方はいつの間にかいなくなっていました。息子さん2人も気がついたら見かけなくなっていました」
そしてつい最近、谷内容疑者の家族を誰もみかけなくなった。住人はこう続けた。
「奥さんはこの近所でパートで働いて収入を得ていたようですけど、去年の年末ごろにみかけなくなりました、病気で亡くなったと聞いています。それで娘さんだけが残されて、その娘さんがそれから間もなくマンションを引き払って出ていったんですよ。
奥さんは北海道出身と話していた記憶がありますが、ご一家がどこからここへ引っ越してきたかはわかりません」
別の住人は1年半前に起きたある“ボヤ”について証言した。
「その部屋に住んでいた住人は50代か60代の女性と20代の女性。一年半前に原因はわからないが部屋で火事を起こしたそうです。その60代の女性は燃えている部屋の前に座り込んで部屋に向かって『火をつけてしまってごめんなさい』と叫び続けていたみたいで、それを大家が引きはがしたみたいです。
隣の部屋とかは大丈夫だったみたいですが、火事後にドアの横の壁に娘宛に母親が『服を燃やしちゃってごめんなさい』と張り紙をしていました。母親に関してはガリガリに痩せていたのを覚えています」