本当は結婚したくないが世間体のために婚活を始めた50代

一方で、上野洋一さん(53歳・仮名)は、今年で婚活3年目になるが「本音を言えば結婚したくない」と真顔でいう。

「本当は誰かと暮らすのも、子どもがいる生活も望んではいないです。だけど、今働いている会社の体制が古く、既婚者でさらに子持ちの方が評価が高い。

社長は『家庭があると責任感が違う』『子どものために頑張らなければな』と、いちいち言ってくる。それに誰かが結婚したり出産した時にお祝いを出す一方で、こちらがもらえる機会はほとんどなく、金銭的損失が著しいんです」

そういった事情から上野さんが求める条件は「利害関係の一致」だとか。

写真はイメージです。
写真はイメージです。

「30代半ばくらいで周りが結婚出産していく中、そんな予定がなく気まずい思いをしているような女性がいいのではないかと。世間体のために結婚はしたいけど、家庭生活は円満とか、週末は家族と出かけるとか、そういうのを求めない女性がいないかな?と思っています」

上野さんは年収800万円で、ローンが残り少ない都内のマンションを所有しているが、それでも「女性が食いつくのは最初だけ」だとため息をつく。

「結婚相談所の方に『女性に最初からストレートに結婚と言うと嫌がられてしまうかもしれませんので控えめに』とを言われましたが、結婚って取引ですよね。なので商談をすすめるのと変わらないはずだと思っています。

淡々と自分の条件を話し、相手の条件を聞き、こちらもそれを飲めれば結婚…という流れで考えていたんですが、今まで会った人には全員断られてしまいました」

現在登録している結婚相談所には「もう紹介が難しいかもしれない」といわれてしまったそうだが、上野さんは「全く理解ができない」という。

「自分は年収そこそこで、見た目は普通。薄毛が進行してるわけでもないし、極端に太ってもいない。相手に連れ子がいてもいいし、子どもが産めるなら産んでもいい。

お金の面ではできる限りサポートしますが、余計な会話や趣味の共有などは不要です。あくまで利害が一致する方を探しているのですが、それってそんなに難しいことなんでしょうか?」