コンプレックスを「好き」に変えてくれた人

——麗奈の「なりたい自分になることを諦めない」というのは物語のテーマとして軸になっていますが、Kōki,さんは、麗奈に共感するところはありましたか?

「なりたい自分になることを諦めない」ってすごく大切なことだと思うんです。

この映画は前編と後編の二部作なのですが、そのテーマは一貫していますし、通して観ていただければ、麗奈の意思がすごく強いメッセージとして伝わると思います。

私自身も心に響きましたし、この言葉はずっと忘れないでいようと思いました。

——地味で社交性のない麗奈はメイクで人生を一変させますが、Kōki,さんはコンプレックスや悩みから救われた経験はありますか?

私は小さい頃、体のホクロがコンプレックスだったんです。でも、ヘアメイクさんが「首の後ろのホクロかわいいね」と言ってくださって。

自分は気にしていたけれど、人から見るとかわいいんだと知ったとき、これも私の個性なのだと思いました。今はホクロが大好きなチャームポイントです。身近な方からの素直な言葉に救われました。

「体のホクロがコンプレックスだった」Kōki,が語る幼少期の悩み…「あまり人に見られたことはないですが(笑)」主演映画『女神降臨』で披露した顔とは_4

——何気ない言葉に救われることはありますよね。

あと、私を救ってくれたのは親友です。デビューしたばかりの頃、海外での仕事が多く、学校を休みがちで悩んでいたんです。でも彼女が授業の内容を全部まとめて送ってくれて本当に助かりました。

その子は今、海外にいるのですが、私が仕事で海外撮影があるときは会いにきてくれますし、よく長電話もしています。親友は私にとって心の支え。いつも助けてくれて感謝です。

両親の活躍する姿が芸能界への扉を開いてくれた

——Kōki,さんのキャリアについてお伺いします。この世界に入るきっかけについて教えてください。

やはり小さな頃から父と母が活躍する背中を見てきたことが大きいです。

お仕事しているときの両親はとても輝いていましたし、その活躍が多くの方たちに勇気を与えたり、幸せを運んだりしていて、人の心を動かすなんてすごいな、素敵だなと思ったので。エンタテインメントの世界で生きていこうと思いました。

——モデルとしてデビューしたのは、なぜでしょうか?

俳優への憧れはすごく強かったのですが、同時に私は90年代に活躍していたモデルさんが好きで、そのかっこよさ、凛とした佇まいに憧れていたんです。

そんなモデルさんになりたい、挑戦したい気持ちもありまして、ファッションモデルの世界からスタートさせていただきました。

「体のホクロがコンプレックスだった」Kōki,が語る幼少期の悩み…「あまり人に見られたことはないですが(笑)」主演映画『女神降臨』で披露した顔とは_5

——今はモデルをしながら俳優としてもキャリアを積み重ねていらっしゃいます。日本映画だけでなく、アイスランド映画『TOUCH/タッチ』(2024)では、『女神降臨』とはまったく異なる、ある謎を抱えたヒロイン役に挑戦しています。作品選びはKōki,さんご自身なのでしょうか?

そうですね。出演する作品については、お仕事関係の方にご相談して、最終的には自分で決めています。

『TOUCH/タッチ』はオーディションを経ていただいた役なのですが、英語を勉強してきたのがとても役立ちました。今後も積極的に日本、海外問わずに演技の仕事をしていきたいです。

——演じることの醍醐味というか、楽しさ、喜びは?

お芝居の楽しさはたくさんあるのですが、まずは演じるキャラクターがどういう人生を歩んできたのかを考えたり、調べたり、監督と役や演技についてディスカッションしたり、撮影前の準備段階からとてもやりがいがあります。

撮影では共演者の方たちとお芝居をすることで、ケミストリーを感じたりするのも楽しいです。私は撮影現場が大好きなんです。

スタッフ、キャストみんなで一致団結して、意見交換をしながら、作品をコツコツ作り上げていくプロセスは大変なこともたくさんありますが、とても楽しい。こんな風に夢中になれる仕事ができて、本当に幸せです。

——ちなみにプライベートで夢中になっていることはありますか?

愛犬のルンルンですね。もう家ではずっと遊んでいて、イチャイチャしています。あまりにベタベタ可愛がりすぎるので、家族全員が私にドン引きしています(笑)。

「体のホクロがコンプレックスだった」Kōki,が語る幼少期の悩み…「あまり人に見られたことはないですが(笑)」主演映画『女神降臨』で披露した顔とは_6