「可愛い」はマインド面も大事!

試行錯誤の上、身についたメイク術。だが、その根底にあるのは、「メイクは自分を好きになるための努力」という考え方だ。

藤田は「たくさん自分と向き合って、もがきながら『自分は可愛い』ってまた思えるようになるまでの物語」と著書で綴っている。

――「私は可愛い」と思うためには、自分なりの基準だけではなく、周りからの評価も大きく影響しますよね。

私が可愛いと思っていても、みんなはそう思わないことはたくさんあると思います。でも、みんなの可愛いに寄せすぎると、じゃあ個性って何?ってなっちゃう。

絶妙な加減ではあるんですけど、私は人気者になりたかったから、周りの評価も気にしながら、自分の可愛いを模索してました。

藤田ニコル(撮影/矢島泰輔)
藤田ニコル(撮影/矢島泰輔)

――今、藤田さんが考える「可愛い」とはどんなものですか?

見た目だけじゃないですよね。今はマインド面とかも大事なのかなって思う。

私の可愛いところって、見た目だけじゃないと思うんです。

正直に嘘をつかないところも、みんなから好きって言ってもらえる。だから、テレビや雑誌、いろんなところで嘘なく思った気持ちを言おうと心がけています。

「人気者になりたかったから、周りの評価も気にしていた」と語る藤田。書籍では「愛されようとしない」という言葉がある。相反するとも思える、この考え方について聞いた。

――芸能人は人気商売だと思うのですが、「愛されようとしない」と考えているのは意外でした。なぜそう思うのですか?

たしかに『愛されようとしない』だとそうですよね。でも、『愛されようとできない』というのを、なんかかっこよく言ってるだけなんです(笑)。

――愛されようとできない?

愛想がよかったり、愛されるように振る舞った生き方が私にはできない。

本当にいいなと思う時しか、いいって言えないし、嫌な時は嫌だって言っちゃう。

だから、相手を気遣って発言ができる人に憧れてた時もあります。

でも、それは私らしくないんですよ。自分が違和感のある生き方はしたくない、それは自分に嘘をつくことになっちゃうから。