「僕はまだ打者として成長が続いていると思います」(大谷)
ロバーツ監督の見解としては、大谷は「極度に打撃のみに集中した」からこそ、2024年の圧倒的な数字が出せた。逆にいえば、この集中力さえ維持できれば、2025年に二刀流に戻っても高い次元での活躍が期待できるのだという。
「もっといい打者になりたいとつねに貪欲で、あとはストライクゾーンの管理だけなんだ。来年どこまでいくかな。同じマインドセットで、投手としてもやっていけるとしたら、今さら言うまでもないが、一世一代の名選手ということになるよ」
大谷も同じような目論見を立てているようだ。投手に復帰したからといって、せっかく2024年に打者としてつかんだ手応えや技術向上分は手放したくないということだ。
大谷自身もこう語った。
「今年は運動量が少ないですから、回復しやすかったというのは疑問の余地がないと思います。加えて、毎年技術は高まっているわけで、僕はまだ打者として成長が続いていると思います」
打撃コーチのロバート・バンスコヨクは、大谷が二刀流に復帰することにより、打撃面でどのようなインパクトがあるか現実的な見解を示してくれた。
「誰もと同じように、私も試合で勝ちたいし、ショウヘイが投手として登板すれば、リーグ有数の名投手なわけだ。だから、われわれが試合に勝つことがいちばんなんだ。彼の打撃がどうなろうと、そのときはわれわれ全員で対処すればいいだけだ。だが、投手として登板してくれれば、われわれチームにとってはメリットしかないと思うよ」
大谷のキャリアはすでに唯一無二の軌道を辿っており、今後、二刀流選手としてどうなっていくのかは誰にもわかるはずがない、とブランドン・ゴメスGMも強調する。
「ショウヘイが10年間連続で50-50をできるのか?そんなバカな賭けは、相手がカーショーだろうとショウヘイだろうとする気はない。ショウヘイが打者としてやってくれていること、それだけで球団にとっては貴重なんだ。そこに投手としての側面が加わる。われわれとしては、ぜひリーグ有数の投手として存分に投げてくれることを期待しているよ」