合理的すぎる「狭小住宅」も増加中

都心へのアクセスの利便性以上に、自分の趣味嗜好に合った街に住む。そんな流れが加速する一方で、全く真逆の合理性重視の物件もトレンドになっている。

「今、非常に注目されているのは面積10平方メートルにも満たない『狭小住宅』です。トイレとシャワーがついていて、寝床はロフトというビジネスホテルのような空間で、ぶっちゃけ『扉を開けたら寝るだけ』の部屋です」

特に恵比寿や渋谷といった超都心を中心にそのような物件が増加中だというが、一体どんな人に需要があるのだろうか。

「昼間はほとんど職場にいて、通勤の利便性を最重要視するITビジネスマンや、医者や看護師などの医療従事者に人気です。特に医療従事者は夜勤や当直など病院で過ごすことがほとんどですし、緊急の呼び出しもある。家から病院まですぐに駆け付けられる立地で、かつ少しでも時間があれば家に帰って仮眠したいというニーズとマッチしています」

趣味嗜好が合った街や、寝に帰るだけの合理性重視の狭小住宅。

働き方が多様化する中、各々の居心地のよい居住エリアを求める動きはこれからも進んでいきそうだ。

取材・文/木下未希 集英社オンライン編集部

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