立地よりも「趣味嗜好に合う街」選びがトレンドに
さらに、働き方の多様化から、近年は住みたい街や人気エリアにも変化が生じているという。
「コロナ禍を経て、リアル(出社)に戻った会社と、リアルとオンラインをハイブリッドさせた会社に分かれたことで、従来の都心一辺倒から、住むエリアの選択肢も広がりました。
いままでの『新宿から〇分』といった通勤の利便性より、最寄り駅の『街の魅力』を重要視して物件を選ぶ人が増えてきました。これはコロナ禍前にはあまり見られなかった傾向です」
街の魅力を重要視とは一体どういうことなのか。具体例を提示して説明してもらった。
「例えば、東京都中野区はサブカルチャーやエンターテインメントが活発で、それに興味を持つ若者がたくさん集まっています。神奈川県横須賀市も音楽芸術の街を目指し、芸術祭などのイベントや取り組みを行って注目され始めています。
また千葉県流山市や船橋市、兵庫県明石市は子育て政策を打ち出したことで、子育て世代が多く集まるようになりました。街の特徴を打ち出し、それを評価する住民を集める動きは今後も加速していくでしょう」
その街に住む楽しさをどれほど味わえるか。海好きの人が定番の湘南エリアだけでなく、三浦半島や千葉県いすみ市に住んだり、山好きが山間部の高尾や八王子に目を向けるなどの傾向も今後でてくると、牧野氏は分析している。