中国でだけEVがバカ売れしている。
2024年、世界EV・PHEV(純電気自動車・プラグイン・ハイブリッド)市場は約1700万台に達した。このうち約7割が中国で売れているのだ。2023年段階では中国の割合は約6割だった。ますます「中国でだけEVが売れている」構造が強まっている。
それにしても、中国はいつの間にこれほどのEV大国となったのだろうか?
俗に補助金が中国EVを育てたと言われる。なるほど、中国のEV補助金の歴史は長い。2010年からNEV(新エネルギー車。電気自動車、プラグイン・ハイブリッド車、燃料電池車の総称)振興政策がスタートし、車両購買補助金が導入された。
当初は1台あたり80万円程度とかなりの金額だった。これにプラスして、2014年からは車両購入税の免除政策も始まっているが、こちらは車両価格のほぼ1割に相当する。
また、2016年ごろからは一部都市でナンバープレート取得優遇措置も導入された。上海市や北京市などの大都市では渋滞対策としてマイカーの購入が制限されている。
北京市ではナンバープレートは抽選制、上海市ではオークション制など都市ごとに違いはあるが、新たに街中に出回る車の数を制限するものだ。上海市のナンバープレート・オークション落札価格は近年、8万元(約160万円)を超えている。EVならこれが無料でもらえるのだからかなりのメリットだ。