会見前に週刊文春が訂正記事を出していたことが発覚
27日夕方からの会見では、「23年6月の問題はフジテレビの編成幹部がA子さんを中居氏に“上納”する形で行なわれており、社内にそうした行為を容認する土壌があったのではないか」との見地に立ち、新旧経営陣を追及する質問が多かった。
「この問題をリードした週刊文春が、A子さんは中居氏のマンションでの会食を編成幹部に誘われた、と当初報道したためです。これに対しフジ側は『編成幹部は問題が起きた日の会食には関与していない』と頑強に否定し、記者が納得せず質問を繰り返す場面が多くありました。
結局フジ側は、『編成幹部がほかの時期に、指摘される行動がなかったかも第三者委員会が調べることになる』との立場を説明しました」(雑誌編集者)
一方、文春は会見の前に、“A子さんは中居氏本人から誘われた”“A子さんは編成幹部がセッティングしている会の延長と認識していた”ということがわかった、との訂正記事を出していた。しかし、それが知れ渡ったのは会見後だった。
「文春の訂正は、問題が起きた日に関してはフジの説明が正しいことを示しており、会見で出た多くの質問は何だったのか、ということになります。
出席した記者の多くが、独自に取材したネタを当てるわけでもなく、文春報道を頼りにしている現実も図らずも露呈した形です」(同編集者)
60~70代の幹部が10時間超の会見で質問攻めに遭う様子をフジテレビはすべて放映した。
その結果、SNSでは記者たちの質問が稚拙で態度が悪いという非難で炎上状態になり、「フジテレビかわいそう」がXのトレンド入りもしている。
「世間への影響がとてつもなく大きかっただけに、批判は文春にも集まっている。だが独自の取材をせずコタツ記事を書いたり、会見で騒ぎ立てたりした“自称・記者”たちにも責任はあるはずです」(ベテラン週刊誌記者)
フジテレビが抱えるコンプライアンスの大きな欠陥は修正できたと示せるものはまだなく、経営陣の説明にも不審な点がある中、同社を取り巻く風向きは会見を機に急に変わり始めている。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
写真/村上庄吾