フジテレビ社会部の記者も「本当に申し訳ないと思っている」と
記者会見ではこうした説明に対し、当のフジテレビ社会部の記者も納得しない様子で質問に立った。
同記者は「本当にこういうことになって申し訳ないと思っています。少しでも事実関係の解明に役立てばと思って質問します」と述べた上で、
「みなさんが一番聞きたいと思っていることは、女性の、誰にも知られずに、という気持ち、プライベートな領域でのことを盾にして、港社長が情報隠ぺいをしているんじゃないかということに尽きると思います」と、港氏の説明は何かを隠蔽するための虚偽ではないかとの疑念を呈した。
その上で、社のコンプライアンス委員会トップで上役である遠藤氏が昨年12月まで問題を知らなかったことは「非常に不可解」と指摘し、遠藤氏に弁解を求めた。
遠藤氏は、自分が知らされなかった理由は港氏が言った通りだと同調しながら、「それであっても共有すべき問題だ」と発言し、港氏の判断に問題があったとの考えを示した。
コンプライアンス担当者に情報を共有しなかった結果、フジテレビは実際に何が起きたのかも確認できない状況となっている。
港氏を中心にした社内のごく少数の事情を知る人物の中には問題発覚後、中居氏から事情を聴いた幹部もいるが、実態解明を目的としたヒアリングではなかった。
昨年12月に「女性セブン」と「週刊文春」が報じた後にようやくフジはコンプライアンス担当者が中居氏から2回ヒアリングをしている。
この一連の接触で中居氏が「A子さんとは異なる認識」を持っていることを把握しているとフジテレビは説明しており、A子さんと中居氏の主張は対立しているもようだ。
さらにフジテレビは、実際にはA子さん自身からも事実解明を目的とした事情聴取ができておらず、報道機関でありながら、行なってこなかったこれら基本的な作業は今後第三者委員会の調査にゆだねられることになる。