プロモーションは大々的に?

マネタイズをどのように考えているのかも現状は読めない。

ただ、たとえば高須クリニックの高須克弥院長ら、かねてより松本支持を表明している企業・個人らも数多い。スポンサーやバックアップ先は、そういった松本支持派が中心になるだろう。

それでもやはり「マネタイズをしっかり組み立てるための時間が足りていないのではないか」と感じられる。

とはいえ『ダウンタウンチャンネル(仮)』自体は、芸人にとっての新しい発信基地になることは間違いない。人気芸人たちが同プラットフォームに集まることは確実だ。

さらに松本人志自身、バラエティ番組『一人ごっつ』(フジテレビ系)、映像集『HITOSI MATUMOTO VISUALBUM』など実験的表現をおこなったものや、『大日本人』(2007年)、『しんぼる』(2009年)といった独創的な映画監督作を手がけてきたこともあり、現在の地上波では観ることができない刺激的な映像コンテンツが取り揃えられるのではないだろうか。

『HITOSI MATUMOTO VISUALBUM』
『HITOSI MATUMOTO VISUALBUM』
すべての画像を見る

あと、ヌルッと『ダウンタウンチャンネル(仮)』が始まることも到底考えられない。

特に、『ダウンタウンチャンネル(仮)』のプロモーションも兼ねて大々的に行なうであろうと推察できるのは、やはりダウンタウンによる「漫才」。これ以上に大きな話題はない。

もしどこかのタイミングで実現するならば、スポンサーも、加入者も、どちらもかき集めることができる。

ダウンタウンが、なんばグランド花月で31年ぶりに漫才を披露した2022年開催『吉本興業創業110周年特別公演「伝説の一日」』は10万枚以上のオンラインチケットが売れたが、それ以上の数字が見込まれるのではないか。

ほぼあり得ないことではあるが、それでも“ウルトラC”として、ダウンタウンの冠番組『水曜日のダウンタウン』(TBS系)、松本が進行役をつとめていた『人志松本のすべらない話』(フジテレビ系)、大喜利番組『IPPONグランプリ』(フジテレビ系)などを『ダウンタウンチャンネル(仮)』に引っ張ってくることができれば、かなりの数の加入者が期待できる。

松本関連の地上波番組の今後の行方がどうなるか分からない状況だからこそ、その可能性もなきにしもあらずではないか。

ダウンタウンという日本の芸能史に残るお笑いコンビの新しい取り組みだからこそ、それくらい大胆な発想と仕掛けをおこなう必要があると考える。

逆に言えば、そうでなければダウンタウンはひっそりと表舞台から姿を消すことになるのではないだろうか。

文/田辺ユウキ