記事ではある事実を〝封印〟

〈「いまの店に入ったのは2月で、初めての風俗です。もともとSMに興味があり、この仕事をしている友人に誘われたのでやってみることにしました」

店でのプレイは、すぐに気持ちよくなることができたという。

「私ってクリが感じやすいんですね。舐められたりすると、もうなにも考えられなくなっちゃうんです。いっぱい濡れたところで、クリと中を同時に攻められたら、すぐにイキそうになります」

これまでにいちばん興奮したプレイについて尋ねたところ……。

「前と後ろの両方を同時に、バイブで攻められたことがあるんですけど、快感と興奮で声が抑えられなくなりました」

攻められるだけでなく、自分から攻めるのも大好きだと語る。

「ご奉仕は大好きですね。自分が一生懸命やって相手の反応がいいと、すごく嬉しくなっちゃう」

ちなみに、この仕事で初めてAF(アナルファック)を経験したそうだ。

「最初は戸惑いましたけど、慣れると気持ちよくなってきました。圧迫された感じで苦しいのが、なんかイイんです。あと、その前の浣腸も恥ずかしいけど気持ちイイです」

風俗で働く時間について、周囲には遊びに出ていると話しているらしい。

「両親と同居してるんですけど、まったく疑われてないですし、そんなに罪悪感はありません。あと、職場で店のプレイを思い出したりもするんですけど、ああ、早く店でプレイしたいなって、考えてますね」

そんな彼女、SMの仕事はいつまで続けるつもりだろうか。

「この仕事はいつまでとは考えていません。だって、プレイを楽しんでますし、辞める理由がとくにないですから」〉

「体を触られたりとかキスだとか、あんまり嫌じゃない」リクルートスーツで現れた処女風俗嬢・カオルの特殊な“事情” _2

取材時間はセミヌードの撮影も含めて30分あまり。あくまでも店と彼女の宣伝が目的の原稿であるため、性的な行為に積極的な印象を抱かれるような発言を並べている。とはいえ、カギカッコのなかのコメントは、すべてカオル本人の口から出たものだった。

だがじつは、この記事ではある事実を〝封印〟していた。

当時22歳のカオルは処女だったのだ。

処女と風俗嬢という要素は相反するようでいて、共存が可能である。現実には裏で容認している一部の業種もあるため、あくまでも建前の話になるが、日本では法律上、性風俗店における本番行為は禁じられている。

また、意外に感じられるかもしれないが、性器とは規定されない肛門を使うAFは、法に抵触する性交とはみなされない。そうしたことから、風俗嬢であっても処女でいることは不可能ではないのだ。

ただし、処女であることをメディアで取り上げた場合、強力な宣伝にはなるが、反響が大きくて身元がバレたり、金銭を提示しての本番強要をされたりなど、女の子の負担になることもある。そこでカオルにはそうしたリスクを説明し、店名と源氏名を明らかにするこの記事については、処女であるとの情報を入れないことにしたのだった。