「肉体派マジシャン!?の巻」(ジャンプ・コミックス80巻収録)

今回は、両さんがマジシャンに弟子入りし、驚異のマジックで世間の注目を集めるお話をお届けする。

マジシャンは、日本語でいうと手品師、奇術師といったところか。マジックを日本語に訳すと魔術だが、マジシャンは決して超常的な特殊能力や奇跡をもって芸を成立させているわけではない。

近代以降のマジックは魔術とは完全に一線を画し、人間の知覚や認識力、常識(とそこから生じる錯覚)を利用して、実現不可能なはずの事象が起きているように思わせる、純然たる技術の産物だ。

つまり、「タネも仕掛けもある」のがマジックであり、その技量を持つ者がマジシャンなのだ。

一方で、本作における両さんだが……もちろんマジシャンとしての知識や技術を持っているはずがない。しかし両さんは、あるひとつの驚異的な能力によって、奇跡的なマジックで人々を驚かせていく。その秘密は、はたして!?

なお『こち亀』には、マジックを扱ったお話はもう一本ある。

「ばらしちゃいやよの巻」(ジャンプ・コミックス172巻収録)で両さんは、スナックの女性たちのウケを狙う大原部長のトランプマジックのネタを暴いたり、マッチ箱のトリックを使って小金を儲けようとしたりしている。

やはり両さんはその詐欺師的な資質も含めて、マジシャンとしての適正を充分に備えているといえるだろう。

「ばらしちゃいやよの巻」より。もちろんこのあと、お金は消える……(そして両さんの懐に入る)
「ばらしちゃいやよの巻」より。もちろんこのあと、お金は消える……(そして両さんの懐に入る)

それでは次のページから、両さんが起こす奇跡的な大マジックの数々をお楽しみください!!