「幻!?の博物館動物園駅の巻」(ジャンプ・コミックス95巻収録)
今回は、かつて上野にあったマイナーな鉄道駅にまつわるお話をお届けする。
中川と麗子を連れて東京美術館に向かう両さんは、上野駅ではなく、京成電鉄本線の「博物館動物園駅」をセレクト。都民でもその存在を知るのは一部だけ……という、ややマイナーな駅だ。
この駅は、1933年の京成本線開通に合わせて、上野の諸施設への最寄り駅として登場。
上野公園の敷地内では地上の走行が許可されずに地下トンネル化、駅を建てる場所は皇室の「世伝御料地」であったために天皇の勅許を得る必要があり……と、開駅までにはさまざまな苦労があったという。その甲斐あってか、当時としてはかなりモダンで荘厳な雰囲気を持つ建物となっている。
なお本作が描かれた1995年から2年後の1997年に、ホームの有効長が短いため4両編成の列車しか停まれないことや、施設の老朽化、利用者数の減少などによって同駅は営業を停止。
ここにも「失われた東京」が……といいたいところだが、駅舎は現在でもそのままでの姿で残っている! 上野公園を訪れる機会があったら、足を運んでみてはどうだろう。
ちなみに上野には、ほかにも廃止された駅が存在する。それはなんと、上野動物園内を走っていた東京都交通局運行のモノレールの駅で、東園駅と西園駅とがあった。遊戯施設のひとつではなく、れっきとした鉄道事業法にもとづく鉄道路線だ。こちらも老朽化により、2019年から運行を停止し、現在では廃止されている。
それでは次のページから、いまでは幻となった!? 駅をめぐるお話をお楽しみください!!