「サンタはいるともいないとも言わない」
この時期になると毎年、話題に上がるのが各家庭での「サンタクロース事情」だ。SNSやネット上では、「子どもが『サンタはいない』と言い出した。何て言葉をかければいいのだろう?」「サンタの正体が親だということは何歳まで隠すべき?」というような投稿が多く見られる。
サンタの“正体”がバレそうなとき模範となる回答はあるのか? まずは、現役の教師たちに学校での実態を聞いてみた。
東京都の公立小学校に勤務する30代男性教諭はこう話す。
「これまでに何度も児童に『サンタさんはいるの?』と聞かれたことがあります。特に小学1~4年生くらいの児童からそのような質問をされることが多いです。それくらいの年齢は、本やインターネットでいろいろな知識を自分で学び始める頃だからだと思います。質問をされたときはいつも『いるのかなぁ?』というような感じではぐらかしています」
早い子だと小学1年生くらいで「サンタさんはいない」と断言する児童もいるとのことだ。また、前述の男性教諭は自身の経験をこのように振り返った。
「以前、小1の女児に『外から家の中にサンタクロースが入ってくるなんてありえない』と言われ、『お家の人がサンタさんにだけ特別に、入ってきていいよって言っているのかもしれないね』と返しました。
他の児童もいる手前、子どもたちの夢を壊すわけにはいかないけど、教師として変な嘘をつくこともできないので、慎重に対応する必要があると感じましたね」
次に、神奈川県の公立小学校に勤務する40代女性教諭はこう話す。
「児童に『サンタさんはいないよね?』と聞かれた際は、いないともいるとも言わず、『どうしてそう思うの?』など、話を聞くことに徹するようにしています。そのような質問をしてくる児童は、もうすでに親がサンタであることに気づいているケースも多いので、その考えは否定せず、楽しく会話をして終わっています。
学校には、サンタを信じている子ども、信じていない子どもが混在しているので、サンタはいるともいないとも言わず、うまく対応するほうがいいと思っています」
前述の女性教諭は、「何年生くらいで『サンタさんは親だ』と言い出す児童が多いのか?」という質問に対してこのように答えた。
「小学1年生でも疑っている児童は多いと思います。個人差はありますが、小学5、6年生くらいになるとほとんどの児童が親であることに気づいています。今はスマホを持っている児童も多く、検索も可能なため、昔に比べて早めに気づいているのかもしれません」