昭和世代は「男気やカッコつけでもある」

「うちは共働きで、お小遣い制だけど月6万円。(記者が、他の家庭でもこの額の家庭が多いと伝えると)たぶん、『2万じゃ少ないし、4万じゃ多いから3万円』みたいな、日本人的な発想じゃないかな?」(50代父・会社員)

サラリーマンの聖地・JR新橋駅前のSL広場(撮影/集英社オンライン)
サラリーマンの聖地・JR新橋駅前のSL広場(撮影/集英社オンライン)

「うちは共働きで、お金は各々で管理してる。この前、洗濯機が壊れたときも、『私が悪いから』って妻が買ってたね。でも、うちは子どもがいないから。共働きかどうかより、子どもがいるかいないかでお小遣い制の導入を決める人が多いと思うな」(50代既婚男性・会社員)

なかには、かつてはお小遣い制だったが今は廃止したという人も。

「僕は最初お小遣い制で、月6万でした。妻が専業主婦で、子どもが今8歳なんですけど、2歳くらいのときに話し合って、それぞれ自由に使えるようにしました。
でも、奥さんも僕が預けたお金でパチンコ行ったりしてるんですよ!(笑)」(30代既婚男性・会社員)

「僕は未婚ですけど、お小遣い制なんて嫌ですよ!(いくらならいいかと聞くと)えー……10万円とか(笑)。まぁ無理だとはわかってますけど。だからホリエモンが言ってることもわかるし、世間のお父さんたちにも同情しますよね」(30代未婚男性・会社員)

すると、一緒にいた男性はこの意見に持論をぶつける。

「でもそういうのって、旦那の家計管理がだらしなくて仕方ないから、という気もする。後輩にもお小遣い制の子がいるけど、望んでやってるみたいな、自ら奥さんに託してる感じ。
結局は結婚前の互いの意見のすり合わせが大事」(30代既婚男性・会社員)

インタビューに答えてくれた2人組(撮影/集英社オンライン)
インタビューに答えてくれた2人組(撮影/集英社オンライン)
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その後、中学生~大学生まで5人の子を持つという父親に遭遇。

「俺は月3万で、通帳も印鑑も暗証番号も奥さんに預けてる。今日もこうやって飲みに来てるけど、だいたい1回で3000円くらい使って、月20日は飲んでるからそれだけで赤字だよな!(笑)

職場にはおにぎりとか作って行くし、お小遣いの額は正直少ないけど、奥さんは『今月ピンチなんだ……』って言ったらすぐにくれるから、そこは優しい(笑)」(50代父・会社員)

同男性はさらに、世の議論に逆説的な持論を唱える。SNSでは“夫が虐げられている”と批判されがちなお小遣い制だが、それはむしろ“夫のカッコつけ”なのだという。

「俺らの世代ではね、『俺が養うからついてきてくれ』『ちゃんと俺が外で稼ぐから、お前は家を守ってくれ』みたいな、男気っていうかカッコつけでもあるのよ(笑)」(同)

結局、3ヶ所で計100人に取材した結果、お小遣い制に「賛成」は36人、「反対」は64人という結果だった。既婚者は51人中32人がお小遣い制で、最も多かった金額は3万円。

取材の際、“肌感覚”で世の夫婦の何割ほどがお小遣い制を導入していると感じるかについても尋ねたが、ほとんどの人が「6~7割」と答え、まさにその通りの割合となった。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班