「相思相愛でなくても性行為は同意して受け入れるというケースもある」
しかし、被告代理人の鬼畜と言わざるを得ない弁護は延々と続く。
「Aさんは行為の際、キスに対しては明確に拒絶を示しているが、後に『一番痛かった』とした陰茎の挿入は拒絶しなかった。一番痛いはずの挿入を拒絶せず、キスには拒否反応を示していることから、Aさんが挿入を受け入れざるを得なかった心理状態にあったとは言えない」
「Aさんは卒業後も北村さんと会い、徒歩でラブホテルに行っている。本当に『行為を断れば学校生活に影響が出る』と思うのであれば、合理的ではない。もし卒業後も不安があったのなら、卒業後も北村さんとメールのやりとりをし、SNSのフレンド申請に応じるのは不自然と言えます」
「抵抗しようと思えばできるものの、あえて自分から行動を起こさなかったに過ぎない可能性を否定できません。相思相愛でなくても性行為は同意して受け入れるというケースもある」
この間、傍聴人から何度もヤジが飛んだ。ため息をつく傍聴人も続出し、法廷は異様な雰囲気に包まれた。
最後に北村被告は証言台に向かい、こう話していた。
「AさんBさんには、長年にわたる苦痛とこれからの人生の影響…本当にお詫びをしようもなく、申し訳なく思います。親御さん、家族の皆さんにも…信頼を裏切り、同様の苦しみを与えてしまいました。本当に…償いようのない大変なご迷惑で、お詫びの言葉も本当に見つかりません」
鼻をすすり、涙ながらに謝罪をした北村被告については、保釈中の今、妻が監督しているという。だが、本当に泣きたいのは一生の傷を負わされた被害者や家族たちだろう。判決は12月9日に言い渡される。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班