「階段から火がついた男性が駆け出してきました」
現場は北海道随一の繁華街・すすきのの中心部に位置する地上6階・地下1階建ての雑居ビル。
当時周辺は買い物客らでごった返しており、飛散する窓ガラスや激しい炎、「殺される」と飛び出してきた女性の叫び声などで現場は騒然となった。北海道警は放火の可能性が高いとみて27日、現場検証を行なった。
これまでの調べでは、意識不明の40代男性が営業中のガールズバーにガソリンのような液体を持ち込み、火をつけたとみられる。
「火をつけた男性は病院に運ばれた現在も意識不明の重体です。全身にやけどを負い病院に運ばれた20代の女性従業員と交際をめぐってトラブルになっていたようですが、現時点では詳細はわかっていません。また、女性を狙って火を放ったのか、自身で自殺をしようとしたのかなど、発生当時の店内での状況も今のところは不明です」(社会部記者)
近くの店舗の従業員男性はこう振り返る。
「ちょうど接客中だったのですが、『ドガーン』って物凄い爆発音がして、思わずお客さんと顔を見合わせました。爆発ってすぐにわかりましたよ。うまくは言えませんが物が落ちたとか何かぶつかったって類の音ではありませんでしたから。
店の前は爆発で飛び散ったガラスの破片が散乱しているし、ビルから炎が上がっていて、爆風で宙に飛ばされたのか、赤いカーテンのような物が上空に舞っていました。そうこうするうちに、階段から火がついた男性が駆け出してきました。助けてくれと言っていたようですが、周りの方の『ヤバい、ヤバい』みたいな怒号でかき消されて私は聞こえませんでした」
映画のワンシーンを見ているようだったという。
「火だるまというと言い過ぎかもしれませんが、映画とかで服に火がついて逃げるシーンがあるじゃないですか。あんな感じでした。30代くらいの男性で、助けようと風俗案内所の男性が水を持ってきてかけたり、何かの布で炎を消そうとバタバタ叩いていたりしました。近くのガールズバーの女性もそれを手伝っていました。
被害に遭った男性は上着も溶けていたし、手にも焼けた毛布みたいなのがかかっていてひどい状態でした。それからパトカーや消防車が集まり、放水が始まりました。消防車は全部で10台以上いたんじゃないですかね。ビルからはしばらく火が見えていましたし、黒い煙と白い煙がもうもうとしていてほんと怖かったですね」