「何かをすくうような手つきをしていました」
「前回の記事の取材に応じた方は(局部に)指を入れられたとのことでしたが、私のときはそれはありませんでした。でも、乳房や乳首はもちろん、足の付け根や局部をなでられました。そのなでるときの手つきが少し不気味で、何かをすくうような手つきをしていました。
凝りをほぐす指圧ではなく、ただなでられるだけなのでまったく気持ちよくありません。でもこれで悪い念が取れるならと、毎回90分14000円や120分17000円の施術代を支払っていました」
しかし、Aさんはなぜそんなにも“悪い念”を取ってもらうことにこだわったのか?
「私は普段から接客業をしているのと、なんとなく人から悪い念をもらって具合が悪くなるような感覚があったので、マッサージに行くというよりも悪い念を取ってもらいに行っていたんです」
では実際に、施術後は“悪い念”が取れた感覚はあったのかというと…?
「マッサージの後に、体を温める寝袋型のマットのような所に入って汗を流すのですが、その発汗効果でスッキリした感じはありました。でも、悪い念が取れたかどうかは正直わかりませんでした」
あまり効果を感じられない施術に、なぜ毎月通うほどの常連客になっていたのか。
「見えない“悪い念”だからこそ、取れるものならとってほしいと思ったからです…。実は尾川さんには信者のようなお客さんも多いみたいで、今回の逮捕を受けて、泣きながら“連絡がつかない”と動揺している方もいるようです。私自身は施術には疑問は持っていませんでしたが、盗撮は良くないとは思います」
何にせよ、悪い念を取らなかったばかりに乳がんになるなどとデタラメを触れ込むのは悪質だ。捜査関係者によると尾川容疑者は「やったかどうかわかりません」と容疑を否認しているという。
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取材・文/河合桃子 集英社オンライン編集部ニュース班