稲村氏は異例の“自民・立民候補”
その言葉どおり、今回目を引くのは県議会最大会派の自民党(37議席)が独自候補を立てず、自民党の一部議員が県民連合が立てた稲村氏を支援していることだ。
「自民党も候補者を探したのですが、この短期決戦で見つけることができなかったのです。中村氏は自分を推してくれるかと期待して名乗りを挙げたのですが、かつて通産省から兵庫県に出向した時の評判が悪くて相手にされず、断念することになったのです。
自民党県議団の一部はつい最近まで兵庫県出身の国会議員らの擁立の道を探ったものの、結局告示直前にあきらめました。同時に、知事をやめさせた斎藤氏への応援を禁じる措置も取りました。
これで自民党が推せる候補は事実上稲村氏だけとなり、異例の“自民・立民候補”となったのです」(県議会筋)
10月31日の告示日、稲村氏は神戸の中心、三宮で出発式のマイクを握り、今回の問題での斎藤県政の対応を「しっかりと検証する」と言明。
「混乱に終止符を打つことはもちろん、それにとどまらず、今までよりもっとみなさんのために働ける、力を発揮できる県庁へと変えていきます」と訴えた。そのそばには自民党の衆議院議員や県議、県内の有力市長も並んだ。
3年前の知事選で維新と自民の推薦を受けた斎藤氏はネット界の声援を頼りにゲリラ戦を仕掛け、かつて市民派だった稲村氏が自民にも推される皮肉な構図の選挙戦は、11月17日に決着がつく。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班