それなら、どうすればいいのか?

新NISAが大きなブームを引き起こし、岸田政権が掲げた「貯蓄から投資へ」という政策に乗っかって、多くの国民がリスクがほとんどない預貯金から、リスクの大きな株式や投資信託に資金を移動させ始めている。

岸田元首相
岸田元首相
すべての画像を見る

私のアドバイスは「いますぐすべての投資から手を引いて、預貯金に戻し、二度と投資に手を出してはいけない」というものだ。

このアドバイスに対してすぐに出される反論は次のようなものだ。

「そんなことをして預貯金だけで資産を持っていたら、インフレでどんどん資産が目減りしていってしまうだろう」

どうしても目減りが嫌な人は、政府が発行している「物価連動債」という国債を買えばよい。

この国債は、物価上昇による目減りを政府が補填してくれることになっている。ただ、物価連動債を庶民が直接買うのは難しい。法律的には買えることになっているのだが、財務省が発行額を極端に抑え込んでいることと、金融機関が買い占めてしまうからだ。

それでも方法は1つだけある。それは物価連動債を組み込んだ投資信託を買うことだ。ただし、当然のことながら、投資信託を買えば、収益の一部を運用会社にピンハネされることになる。

私は、無理をして物価連動債を買う必要はないと考えている。

それは、バブルが崩壊に向かえば、世界経済は恐慌状態に陥り、深刻なデフレになる。そのことは預貯金の価値が大きく上昇することを意味するからだ。

いま世界は、人類史上最大のバブルに直面している。

そのバブルがはじければ、株価は10分の1になる。