クライマーズハイ、半年ぶりの生理

また、険しい山道に苦戦する私達をサポートしてくれる彼等が本当に頼もしくて素敵でね。

高い場所に登ろうとすればトンっと腰を支えてくれたり、強風が吹けば腕を絡めて守ってくれたり、そのたびにトクンとうずきはじめる恋心。

下山後は三島駅でうなぎを食べて解散したんですけど、ふたりの山男の背中を「もう、どっちでもいい♡ 両方好き♡」の気持ちで見送りましたからね。

これも一種のクライマーズハイなのでしょうか。

富士登山に挑戦したことで、自分の限界を突破したというか、新しい自分が開花したというか、体の中にエネルギーとトキメキと性欲が満ち溢れるような不思議な感覚に。

登山後、「色気がダダ漏れている」でお馴染みの、アルコ&ピースの平子(祐希)君とふたりで京都ロケをしたんですけど。これが、いつも以上に楽しくてねぇ。

登山効果で性的なスイッチが入ったせいか、はたまた、久々に至近距離で男性の色気を浴びたからなのか……なんと、半年ぶりに生理がきたんですよ(笑)。

もうサヨナラすると思っていたのに、舞い戻ってきた月の使者。あんなに不定期だったのに、今ではまた定期的にやってきているから、人間の体って本当に不思議ですよね。

中村桃子による連載挿絵
中村桃子による連載挿絵
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トキメキを取り戻す富士登山

トキメキを取り戻した私は、若かったあの頃のようにまた、周りにいる男性に対して性的な視線を向けられるように。

最近、30代半ばのかわいい男の子と出会ったんですけど、たわいもない会話のなかでふと「大久保さんの恋愛対象は何歳からなんですか?」なんて聞かれた瞬間、「もしかして、私のこと好きなのかしら♡」とポジティブ変換。

このあいだまで「30代男子と恋愛なんてありえない」と言っていたのに「20代はないけど、30代だったら大丈夫かなぁ」なんて話を合わせちゃったりして。

さらには、その男の子が他の女子と仲良さげにしているのを目にしただけで、心がザワザワと音を立て、無意識にその女子をにらみつけている自分がいたりしてね(笑)。

恋愛に発展する可能性なんてないと自分でもわかっているのに、本能的に視線が動いたり、淡い期待や嫉妬心まで抱いてしまう……。

はたから見れば愚かで滑稽かもしれない、でもいいんです、それでいいんです。今の私には全てが「また、こんな気持ちを味わえるなんて!(感動)」だから。

『青春と読書』読者の皆様のなかに「もう一度、トキメキを取り戻したい」という方がいらしたら、本能と性欲を呼び覚ます過酷な富士登山、マジでオススメです(笑)。


聞き手・構成/石井美輪 題字・イラスト/中村桃子 撮影/露木聡子