「托卵妻」という言葉をご存知だろうか?

托卵とは、妻が夫以外の男性との間にできた子供を、夫の子供として出産し育てていくことだ。語源はカッコウなどの鳥類がほかの鳥の巣に卵を産みつけ、親鳥に雛を育てさせる行為を托卵ということからきている。

10月17日からスタートしたフジテレビのドラマ「わたしの宝物」はこの托卵がテーマで、松本若菜が演じる托卵妻が早くも話題になっているが、はたして托卵妻は実際にどれくらいいるのか。そして当事者たちは何を思うのか。

夫が不妊治療を拒否。妻は元カレのセフレと妊活中…

都内で働く佐々木優奈さん(39歳・仮名)は5歳年上の男性と3年前に結婚するもまだ子宝には恵まれていない。現在、夫とも妊活をしつつ、取引先に勤める元カレのセフレともひそかに妊活をしている。

「年齢的にも一刻も早く子供が欲しくて、入籍前から主人と妊活をしていました。でも一向に授かる気配がないんです」

一般的に妊活を始めて半年から1年で妊娠できなければ不妊だといわれている。夫婦生活を1年営み、妊娠しなければ病院を受診するように案内する産婦人科も多いようだ。
佐々木さんは「不妊治療を始めたい」と夫に相談するも、首を縦にふってくれなかった。

「私はちゃんと産婦人科で検査をしたんですが、主人は検査も拒否。プライドの高い人だから、もし自分が原因で子供ができないと知ったら耐えられないんだと思います。

私としては検査をして、私たち夫婦が子供が望めるのか、望めないのかを知りたかっただけ。ダメならダメで2人で生きる道を考えるつもりでした」

佐々木さん(仮名)
佐々木さん(仮名)

だが、今、佐々木さんは元カレでセフレの、取引先の男性とも妊活中だ。いったいどういった心境の変化があったのか。

「夫は検査はしない、不妊治療もしない、でも自然妊娠はしたい。これではゴールが見えなすぎで…。私は性格的に、ゴールが見えないことはやりたくない。おそらく夫とは相性が悪いか、もしくは夫に不妊の原因がある。

このままだとラチがあかない…という話を、仕事の飲み会でグダグダ言っていたら、元カレでセフレのA君から『じゃあ俺の子産んでよ』と言われたんです」

A君は同い年で3人の子供を持つ既婚者。かなりの子煩悩で、まだまだ子供が欲しいそうだが、体力的な問題から奥様には第4子は断られていた最中だった。

「夫と血液型も一緒だし、顔もまぁそんなに系統が違わないし、何よりA君は元カレでセフレだから、気が楽でした」

書面にすることはなかったが、「口外しない」ことを理由にA君と妊活をスタートさせて、4ヶ月目。現在、生理が少し遅れているようで「もしかしたらできたかも」と、佐々木さんは頬を赤らめる。

「夫とA君とは同じ回数しているので、本当に妊娠していてもどちらの子かわからない。でも、私の子には変わりないし、夫もまさか他人の子だとは思わないでしょう」