前事務所には「感謝しかないです」
――谷村さんといえば、歌以外にプロポーションも武器で「Gカップシンガー」というキャッチコピーもありましたが、こうした路線はどのように感じていたのでしょう?
うーん……。「なんだろう?」みたいなことはありましたけど(笑)。でも、それが嫌だとか無理だとかという次元ではなく、多くの人に知ってもらうには必要な戦略の一つなんだろうなと思ってました。
当時はやりたくないことのほうが多かったけど、やるとなったらそこは腹くくって、全力で!という感じでした。
――やりたいことを思うようにやらせてもらえず、反発心が芽生えたりはしなかったんですか?
ありのままの自分を出すことは出来なかったけど、新たな自分を見出すことが出来た。だからこそ成長できたと思います。楽しかったことも辛かったことも当時の全てに感謝しかないです。特別な経験をさせていただきました。
前の事務所の方々は、いまでもワンマンライブを開催すると観に来てくださったり、お花を贈ってくださったりします。今の私があるのは当時のさまざまな方の支えがあったからで、本当に感謝しています。
――2019年にはご自身の会社を設立されましたが、事務所所属時代に比べてどのような変化があったのでしょう。
私、会社を作ったとき、「よし!パッション、やりたいことで生きていく」と決めたんです。
どの世界もそうだと思いますが、特に分かりやすく全て数字に出るし、当時は売れなきゃ!というマインドが当たり前で、いつもどこか無意識的に「まだ足りてない、足りてない」という感覚があったかと思います。本当にハムスターが回し車で走っているような、たまの休みの日でも頭と体が休めていないような感じでした。
でも、今は真逆というか、満たされている感覚です。やりたいことだけで生きていくと腹で決めたから。内観し、自分を深く知っていくことで、自分の本当の望みも、逆に望まないことも分かってきます。ありのままの自分で生きることを許したら、勝手に満たされていきますね。