百条委も注目するパレード問題、斎藤知事は否定しているが…

県職員のメモや証言によると、昨年11月中旬に片山副知事が1億円を「これじゃ足りん。4億にせえ」と指示。

担当課が算定根拠を変え要求額を3億7500万円にすると、今度は斎藤知事がパレード2日前に「全体をまるく4億円程度で」計上しろと求めた。

斎藤氏は指示を事実と認め「補正予算はキリの良い数字で予算をつけるほうが打ち出しとしてははっきりするので」と釈明した。

協賛金と引き換えに補助金増額の約束があったのではないかとの質問には「そういったことはなかった」と否定している。♯8

百条委は10月24、25両日にパレード問題を集中的に調べる計画だ。

百条委員会での片山元副知事(撮影/集英社オンライン)
百条委員会での片山元副知事(撮影/集英社オンライン)

さらにここで、片山副知事が信金11行の総額と同額の2000万円を、信金からの入金よりもはるかに遅い時期である昨年12月末に獲得していたことが今回取材で判明した。

前出の県関係者が話す。

「昨年11月14日に神戸にあるX財団が100万円の協賛金提供を県に約束し、パレード後の12月27日に入金が行なわれました。しかし翌日の12月28日、片山副知事の名で財団に追加支援を求める文書が出ています。

『安全対策経費が開催直前にさらに必要となったことにより、結果として事業費が想定を上回る事態となりました』として、『更なるご支援を』と求めています。資金不足の主因であるクラファンの不発には触れていません」

パレード2日前に「全体をまるく4億円程度で」と指示した斎藤元知事(撮影/集英社オンライン)
パレード2日前に「全体をまるく4億円程度で」と指示した斎藤元知事(撮影/集英社オンライン)

 書類には要求額はなかったというが、県は同じ12月28日付でX財団に「2000万円」と記した請求書を発行しており、この日に2000万円の追加拠出が合意されたと関係者は指摘する。

信金11行からの計2000万円がそろった時期よりさらに約1ヶ月も後。財団から県への2000万円の追加支払いは今年1月31日で、パレードから2ヶ月が経っていた。

「片山さんは信金11行とX財団から計4000万円を追加分として集めており、パレード資金の不足分を埋める兵庫県のノルマは4000万円程度だったとみられます」(同前)