松田聖子と共演で「ほんとに彼女を愛するように…」

「平成のバカップル」「稀代のワル」「誠意大将軍」「ペアヌード」……。

1994年に梅宮アンナとの交際が発覚して以降、これらパワーワードとともにワイドショーや週刊誌を賑わわせ、破局後は度重なる逮捕ですっかりワルのイメージが定着した羽賀容疑者。

しかし、80年代から平成初期にかけては間違いなくテレビの人気者だった。

沖縄出身の羽賀容疑者は高校卒業後、福岡大学への進学が決まっていたが、その直前にスカウトされて上京。81年にミュージカルに出演し、芸能界デビューする。

人気爆発のきっかけは、その翌年に「笑っていいとも!」(フジテレビ系)の初代いいとも青年隊に野々村真、久保田篤とともに選ばれたことだった。


デビュー当時の羽賀研二(「週刊明星」昭和56年11月26日発売号より。撮影/阪本敏文)

デビュー当時の羽賀研二(「週刊明星」昭和56年11月26日発売号より。撮影/阪本敏文)

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昭和59年6月28日発売号「週刊明星」に当時の人気ぶりがわかるレポート記事が掲載されていた。

10日、海びらきを前にした逗子海岸で恒例の大掃除が行なわれ、市制30周年の逗子市が招いた“いいとも青年隊”の羽賀健二、野々村誠(※編集部注…ともに当時の芸名ママ)、久保田篤が「それっ」とばかりにクリーン大作戦。
(中略)
集まった約2千人の中でやたら目立ったのは“青年隊”ファンのギャル軍団。浜でゴミや空き缶を拾おうとする3人をどっと取り囲み、大掃除というよりキャーキャー追いかけっこを30分あまり。

いち番組のアシスタント役とは思えないフィーバーぶりだが、羽賀容疑者はふたりに先んじて次なるステージへと進む。それが映画初出演だ。

しかも当時、飛ぶ鳥を落とす勢いだった松田聖子の主演作『夏服のイヴ』(1984年7月公開)で主人公の恋人役に抜擢され、松田聖子とのキスシーンも演じている。

同作出演にあたり、羽賀容疑者は「この映画に出ることで人生が変わるかもしれない」と意気込むなか、「週刊明星」(昭和59年3月1日発売号)のインタビューでは松田聖子への印象についてこう語り、チャラさの片鱗をのぞかせた。

「週刊明星」(昭和59年3月1日発売号)で映画の意気込みを語る羽賀容疑者(撮影/今津勝幸)
「週刊明星」(昭和59年3月1日発売号)で映画の意気込みを語る羽賀容疑者(撮影/今津勝幸)

 「聖子さんってサイコー。普通の女の子と“お姫様”みたいなところが同居してる。僕、演技力があるわけじゃないし、映画をやってる間は、ほんとに彼女を愛するようにするしかない」