お母さんのことを「母上」と呼び、「ハンサム」といわれることが大嫌い 戸田奈津子がみたキアヌ・リーブスの素顔_1

スターとして扱われることが苦痛

仕事柄、イケメン俳優は大勢見てきましたが、『ハートブルー』(1991)で初来日したキアヌ・リーヴスほど「なんて美しい!」と目が点になった俳優はありません。もちろん当時、日本の映画ファンの心も、たちまち鷲掴みにしてしまいました。

個人的にサーフィンは見るのも好きなので、若き美青年、キアヌの魅力を満喫できる『ハートブルー』は大好きです。

多くの俳優と同じく、彼も「ハンサム」と言われることが大嫌いでね。あれだけ長い間トップで活躍しているのに、スターとして扱われることが、まだ苦痛みたい。その証拠に、プライベートでは髪も伸ばしっぱなし。頬にうずが巻くくらい無精髭を生やして、美貌を隠そうと努力している。

取材で何度かお会いしていますが、インタビューもそんなに上手ではなく、会見でも必要なこと以外答えない。あんなに引っ込み思案で大丈夫かと心配しまうくらい(笑)。

そういえば、一度お母さまを連れて来日したときに、「Mother」と呼んでいて驚いたことを覚えています。アメリカ人は「Mom」など省略するのが普通で、「Mother」と呼ぶ人は聞いたことがありません。

日本語なら「母上」のような感じです。それだけ躾がよく、お母さんを大切にしているのでしょうね。