お酒を飲んで顔が赤くなる人は要注意
食道は咽頭、喉頭から胃の間をつなぐ管状の臓器です。長さは25cmほどあり、体の気管の後方に位置し、肺の直前を通り、心臓の前を横切るように体の中心の深い場所にあります。
食道はただ食べ物が通過していく臓器ではなく、食道の内側に平滑筋と輪状筋の二重の筋肉層があり、この筋肉層が収縮することで、食べ物を飲み込むことができ、飲み込んだ食べ物を胃へ送り込むことができるのです。
私たちの健康を支える「食べる」という行為に欠かせない重要な臓器が食道になります。
食道がんは、食道内の細胞ががん化することで発症します。
国立がん研究センターの調査(2020年)によると、食道がんで亡くなる人は年間約1万1000人。
罹患率の男女比でみると男性6:女性1の割合で圧倒的に男性に多いがんです。
これは食道がんの2大リスク、「喫煙」と「飲酒」がこれまで比較的男性の割合が高かったことによります。
特にお酒を飲むと顔が赤くなる人や毎日、飲酒する習慣のある人は食道がんのリスクが高くなると考えられています。
その理由は、アルコールが体のなかで分解されることによって発生する発がん性物質の1つ、アセトアルデヒドのためだといわれています。お酒を飲むと顔が赤くなる人は、アセトアルデヒドが分解できず、体の中に溜まりやすくなってしまうため、食道がんのリスクが高まるのです。
また、喫煙と飲酒の両方の習慣がある人は、まったくどちらもしない人と比べると食道がんのリスクが35倍高まるといわれているので、こういった習慣がある人は気をつけてください。
その他、熱いものや辛いものが好きでよく食べることも、食道がんのリスクが高まる原因になります。