大混雑でビルの隙間からしか見えない…
1773(享保18)年に始まった東京・両国の花火の伝統を受け継ぐ花火大会「隅田川花火大会」は、二つの会場から90分間で合計2万発もの花火が打ちあがる。
昨年は4年ぶりの開催ということもあってか、来訪者数は過去最多の約103万5000人(主催者発表)を記録した。例年はおおよそ90万人程度ということで、コロナで抑えられていたものが解放されたせいか、一気に記録を更新する賑わいをみせた。
広大な河川敷で打ち上げる多くの花火大会と違って、ビルの間から花火が打ち上がるのが特徴でもある「隅田川花火大会」。東京スカイツリーや浅草の浅草寺、五重塔、ビルの夜景と花火とのハーモニーが幻想的で、“映える”花火大会としても人気が高い。
しかし都会型の花火大会ゆえに、お金を払って入ることができる有料席や、人気の場所をしっかり確保していないと、途端に花火がビルの影に隠れてしまって見えなくなる。
せっかくはるばるやってきたのに、ビルの隙間からしか花火を見られないという人は多く、SNS上では不満の声もあがっている。
〈隅田川花火に初参加かしたのですが、右往左往しながらビルの隙間から花火を楽しみました……〉
〈近隣の何の邪魔なく見えそうな場所ほぼ封鎖。大勢の人がビルの隙間から欠けた花火見るしか無い状況。もう行かない〉
〈隅田川の花火大会は二度と行かない。人が多過ぎる上に交通規制が凄くて戻ることも、座ることも、止まることもできないままひたすらゆっくり歩き続ける地獄の行進。時折ビルの隙間からチラッと見える花火〉
ちなみに有料席は一席6000円ほどで申し込みできるが、毎年倍率が高く、チケットの転売サイトなどでは高値で転売されていたりもする。また、花火大会当日のスカイツリー展望台の入場価格は、1名1万2000円。320名限定で、こちらも人気が高く、熾烈な競争が繰り広げられている。
そしてこのような、人が一斉に集まる大イベントで発生しているのがゴミ問題だ。花火が終わった後の街のそこかしこにはゴミが捨てられており、近隣住民からは苦情の声も多くあがっている。