蓮舫の切り札は野田元首相

そうした中、蓮舫氏の支持を広げようと陣営の頼みの綱になっているのが野田佳彦元首相だ。立憲の中でも保守的な政治家として知られ、2011年の民主党代表選でおこなった「どじょう演説」など、名演説を繰り広げることで名高い。

安倍晋三元首相が凶弾に倒れたことを受けて行われた追悼演説が話題になったことも記憶に新しいだろう。

また、蓮舫氏は野田氏のグループ「花斉会」に所属していたため、野田氏とは政治家として盟友関係にある。

こうしたことから、蓮舫陣営は最終日のマイク納めを新宿で行い、野田氏も並ぶ形で演説を締めくくる予定だ。

立憲関係者は「少しでも保守層に支持を広げ、票を伸ばしていきたい。『2位じゃダメなんですか』で知られる蓮舫氏が3位に沈んだら目も当てられない。最終盤に向けて気を引き締めていく」と力を込めた。

6月30日、雨の蒲田駅前で演説する小池氏(撮影/宮原健太)
6月30日、雨の蒲田駅前で演説する小池氏(撮影/宮原健太)

蓮舫氏と石丸氏がデッドヒートを繰り広げる中、小池氏も街頭演説を増やすなどここにきて焦りを見せており、決して安泰とは言い切れない情勢となっている。

大手マスコミ関係者は「もしかすると出口調査で有意な差が出ず、20時当確が出せないかもしれない」と指摘する。

かつてないほどに激しい選挙戦が繰り広げられる中、誰が都知事の座に就くのか。その行方は都民が投じる1票1票に託されている。

取材・文/宮原健太
集英社オンライン編集部ニュース班