期待はしなくても“問題意識”はしっかり

せっかく政治への参加意識が高くても、「投票したい」と思える候補者がいないのは大変な不幸といえるだろう。調査では「投票に行かない」と答える人も多かったが、今は関心が高い層も、いずれこうした“棄権”に回ってしまうかもしれない。

このように、若者たちは投票する・しないにかかわらず、政治不信や期待の低さをにじませている。しかし、問題意識がないわけではない。今回の都知事選で大きな騒動になっている“ポスター問題”は、「投票に行かない」「選挙に関心がない」と答えていた人でさえ知っていた。

※写真は回答者のひとりで前後のコメントとは関係ありません(撮影/集英社オンライン編集部)
※写真は回答者のひとりで前後のコメントとは関係ありません(撮影/集英社オンライン編集部)

都知事選のポスターをめぐっては、一部候補者がほぼ裸の女性を印刷したものを選挙掲示板に貼ったところ、警視庁から都の迷惑防止条例に反するとして警告が入り、差し替える騒動が起きている。

他の候補者も、女性用風俗店を紹介するポスターを掲示し、同じく警視庁からの警告で差し替える事態へと発展した。

こうした掲示を「不適切」だとした人は圧倒的に多く、政治への“不信感”と“無関心”が必ずしもイコールではないことが見てとれる。

「投票に行く予定はありません。政治をあまり知らないので、もっと興味を持たなきゃと思います。でも、ポスター騒動は知っていました。『話題になれば勝ち』みたいな風潮は、私は否定的ですね」(43歳女性・新宿区)

こうした掲示を法律で規制することを求める声も多かったが、これには選挙活動や表現の自由の観点から「難しい問題」という意見もある。

※写真は回答者のひとりで前後のコメントとは関係ありません(撮影/集英社オンライン編集部)
※写真は回答者のひとりで前後のコメントとは関係ありません(撮影/集英社オンライン編集部)

「投票に行くかどうか迷っています。新しい都知事に何も期待しないし。ネットで投票できればいいけど、それでも行かないかも。ポスターは不適切だと思うし、ここまで来ると規制が必要だと思います。ただ、選挙の自由とか表現の自由もあるし、難しいですね」(31歳男性・会社員・江戸川区)