投票には行くが政治に期待しているわけではない?
今回の都知事選は、これまでと比べて極めて異彩を放っている。その最大の特徴は、過去最多を大きく更新する56名もの立候補者だ。一方で、中には当選を目指していないと公言する候補者もいるほか、政見放送の内容が物議を醸したりと、選挙を取り巻く状況は“カオス”そのものと言える。
こうした光景を、働き盛りや選挙権を持ったばかりの若者はいったいどう見ているのか。渋谷駅周辺や学生街など、若者が多い街でZ世代を中心とした都民100人に本音を聞いてみた。
まず驚くべきは「投票に行く」と答えた人の多さだ。世間では若者世代の投票率が低いとたびたび指摘されているが、こうした声に反し、調査する限りでは「投票に行く」と答えた人が64人と多数派を占めていた。
「僕はここ渋谷が職場なんですけど、ゴミとか落ちていてすごく汚いじゃないですか? なので、街の美化をしてくれる人に投票しようと思っています。あとは、上の世代にハッキリと物を申してくれる人がいいですね」(30歳男性・会社員・大田区)
「今回初めて選挙に行きます。学生時代は政治に関心がなく『なんとなく』の4年間を過ごしていましたが、社会人になってから税金の重みや円安などの問題点に目を向けるようになり、都政にも関心を持ち始めました」(24歳男性・会社員・練馬区)
しかし、よくよく耳を傾けると、「投票には行くが政治には期待していない」というシビアな本音も見え隠れする。
「都民の義務なので期日前投票しようと思っています。でも新しい都知事に期待することはそんなにないです」(20歳女性・学生・江戸川区)
「新しい都知事に期待することはないし、いい候補者もいないけど投票には行きます。白票を投じる予定です」(19歳男性・学生・文京区)