小林氏が小池都知事を毛嫌いする理由

当時自民党衆院議員だった小林氏は、民営化反対の急先鋒で郵政民営化の法案には反対票を投じている。

このため小泉首相は小林氏の選挙区である当時の東京10区にも刺客を放ったが、それこそが当時、近畿比例ブロック選出の衆院議員だった小池百合子氏だ。

結局、この総選挙で当選して存在感を一層強めた小池氏は、第一次安倍晋三内閣で防衛相を務めるなどしてキャリアを重ね、都知事の現在に至っている。

要するに、小林氏にとって小池氏とは、小泉氏と並んで自身を自民党から追い出した不倶戴天の敵なのである。

火がついた小林氏の小泉、小池両氏批判は止まらず、郵政民営化は簡保と郵貯資金を抱き込もうとするアメリカの思惑があると、果敢なアメリカ批判も始めた。

「アメリカの言いなりになっては日本が滅びる。郵貯、簡保(の資金)、アメリカ人なんか貯金する人なんていないんだから、その金を俺によこせ、これが郵政民営化なんですよ。このくだらない民営化。権力がほしいやつでやったわけでしょ。一番は総理大臣の小泉さん。その側近中の側近、小池さんなんて、権力にしかしがみつかない」(小林氏)

小池百合子知事を非難する小林興起氏(撮影/集英社オンライン)
小池百合子知事を非難する小林興起氏(撮影/集英社オンライン)

小池氏の学歴詐称疑惑報道や東京オリンピックを舞台にした不正もまくしたてた小林氏は、司会者からまとめてくれと注文されると「そんな中で私は、本当の保守が立ち上がってまとまってやらなきゃいかんと思うでしょ。田母神さんが出てるんだったらね、やってもらったらいい」といい、明治神宮外苑の再開発事業に反対する考えでも一致しているからと、田母神氏を応援することに決めたと言ってようやく冒頭の発言を終えた。

ここで、「もう少し合意した政策について話してもらえないか」と質問が出たのに対し、小林氏は改めて「反小池」が一番であることを強調する。

「私に言わせると簡単なんですね。反小池で大同団結したかったわけですよね。だったら蓮舫さんを応援してもいいと思ったんですよ。だけど共産党っていうのが躍り出てくると、私もなんとなく、ちょっと距離を置いちゃうんですよね。

そうしたらもう、あと田母神さんしかいなくなっちゃうじゃないですか、保守が安心して応援できるのは」(小林氏)

田母神氏は「伝統的保守」の理念で、小林氏は「反小池」で、それぞれ大同団結したいと考えているもようだが、田母神氏は公約をそのまま維持する方向だ。