〈問題〉報連相を求めても、部下から積極的に話しかけてこない。結局毎回自分から尋ねる羽目に

もう少し積極的にコミュニケーションをとって、情報共有してほしいのに、部下から話しかけてくることがほとんどない。部下のステータスやプロジェクトの進捗情報が共有されず、自分から尋ねると危機的状況があらわになることも。

〈解決法〉目線の高さを物理的に変えることでコミュニケーションのしやすさをコントロール

自分の目線の高さによって、相手の、コミュニケーションに対する心理的ハードルの高低が変化します。それを逆手にとり、自分の座る場所や姿勢を変えることで、部下からのコミュニケーション頻度をコントロールしてみるのはいかがでしょうか。

〈解説〉

部下やチームメンバーから、あまりに頻繁に話しかけられると、自分の仕事に支障が出てしまう。かといって、まったくコミュニケーションがなければ、それはそれで困るものです。

部下からのコミュニケーションがなければ、仕事ぶりを評価することも、問題を把握することもできませんし、戦略を立てる上でも、業務の無駄やミスを防ぐ上でも、報連相は必要不可欠です。

進行上、ミスや誤解が生じていないか、適切な方法で業務を進められているのか、上司のほうから頻繁に尋ねてしまうと、まるで部下を信用していないように見えてしまうでしょう。

もちろん、尋ねれば話してくれるのでしょうが、いつでも部下自らコミュニケーションをとれる状況が、組織としては健全なはずです。

では、どのようにすれば、部下から自然と話しかけてくれるようになるのでしょうか。

実は、上司がどんな席で仕事をしているかによって、会話の発生頻度が変わる、ということが我々の実験から明らかになっています。

近年、フリーアドレス制を導入しているオフィスが増えました。フリーアドレスのオフィスでは、テーブル席、デスク席、ソファ席、ハイテーブル席など、さまざまな形の席が用意されていることが多々あります。

写真はイメージ
写真はイメージ
すべての画像を見る

フリーアドレスを採用している企業の狙いの一つには、上司・部下間、あるいは部署を横断する形で、コミュニケーションをより円滑にとりやすくし、アイデアや情報の交換を活発化したい、というものがあるようです。

実際に我々も、固定席制からフリーアドレス制へオフィスレイアウトの変更をした際に、どのように社員同士のコミュニケーションが変化するかをある企業で調査したことがあります。

そして、この調査では意外なことが判明しました。