“結婚するためにバイクや車を売らせた”は「絶対にない」

そうしてキャバクラ「C」でも常連客となり、同時に「痛客」となった和久井容疑者は、ある日突然A子さんにカミングアウトしてきたという。

「和久井が『シャンパンタワーをやってみたい』と言うので、A子が『タワーはお金かかるけど大丈夫なの?』と話すと『実はバイクはもう売ったんだよね』と打ち明けてきたそうなんです。

たしかに以前から和久井は『一度バイク事故にあったから、もう(バイクは)やめて売ろうと思ってる』と口にしていたそうですが、この流れでクルマも売るとか言い出すもんですから、A子も『20年近く乗ってるんだし、そんな大事なモノは大切にしないと。売っちゃダメだよ』と止めたといいます。

それでも和久井は『お店に使いたいからさ……』ときかないので、A子も『私に使う必要はないんだから見返りは求めないでね。貯金とか自分のために貯めておいたほうがいいよ』とも言ったと聞きました。

だから報道では『結婚するためにバイクや車を売らせた』とか『開店資金としてお金を受け取った』とか言われてますけど、そうした事実は一切ないんですよ」

和久井容疑者の愛車とバイク(本人SNSより)
和久井容疑者の愛車とバイク(本人SNSより)

また当時、A子さんは和久井容疑者に売上を頼っていたわけではなく、お金に困っていたわけでもなかったという。

「そもそもA子は銀座のキャバクラ時代の“太客”が何人かいて、その人たちが『C』の収益を支えていたそうです。
しかも和久井がやりたいと言い出したシャンパンタワーに関しても、店の料金の『前払い金』として受け取ったのは、デポジット(預かり金)としての100万円のみ。さらにそのお金も、A子個人に渡したわけではなくお店に渡しただけと聞いています。ふだんの和久井は数万円程度しか(店で)使ってなかったそうですし……。

それと、どこかのメディアが『和久井が店内で一千万円の札束をA子にポンッと渡した』と報じていましたが、そんなことは一度もありません。A子は手持ちのお金で、あくまでセルフブランディングのひとつとして『ウチのお店はこんなに儲かってるんですよ』『華やかな店なんですよ』というアピールをするためにSNSに“見せ金”をあげただけなんです」

セルフブランディングのため、SNSに華やかな投稿をしていたA子さん(本人SNSより)
セルフブランディングのため、SNSに華やかな投稿をしていたA子さん(本人SNSより)

和久井容疑者の取り調べの供述とは真っ向から主張が異なるが、果たしてどちらが真実なのか。

#7ではストーカーの本性をあらわにしていく和久井容疑者の素顔に迫るだけでなく、A子さんの元夫Bさんにも話を聞いた。

※「集英社オンライン」では、今回の事件について、情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(Twitter)まで情報をお寄せ下さい。
メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

X(Twitter)
@shuon_news 

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班